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冷え込む日本のサブカル熱。日本産コンテンツが中国で急速に存在感を失ったワケ

北京大学准教授が伝える「中国人の日本観」(後編)
古市雅子(北京大学准教授)

日本のサブカル熱が冷めた理由その1「メディア環境の変化」

中国のこのような話を聞くと、日本への好感度はまだ高いようにも感じられるだろうが、冷静に分析すると、2010年代前半にあったような日本のサブカルチャーに対する熱は少しずつ冷めつつある。原因は三つある。

第一に、中国側のメディア環境が変わってしまったことである。

前述の通り、反日デモがあってもサブカルの影響力は変わらなかったが、アニメを配信するサイトから、「日本アニメ」というメニューが消えてしまった。それまではどの配信サイトでも、ホーム画面には「映画」「ドラマ」「バラエティ」と並んで「日本アニメ」というメニューがあり選択することができた。しかし反日の気運から、あらゆるメディアから「日本」という二文字を削除しなければならなくなったのである。

配信サイトで「アニメ」をクリックしても、国産または他国のアニメが混在する状況となり、何かのきっかけがない限り、または偶然に日本アニメが選ばれない限り見ることができなくなってしまった。アニメ以外にも、日本のものとすぐにわかる動画は一時期すべてなくなった。今でも多くのサイトに「日本」というメニューはなく、本当に見たい人は日本のサブカルに特化したサイトを利用している。

テレビ放送の規制による影響も大きい。

子供たちが無意識のうちに日本のアニメに接するチャンスは既になくなり、インターネットを自由に使える環境で、自分で意識してアクセスしない限り日本のアニメを見ることはできなくなった。入り口が劇的に狭くなったのである。そのため、若い世代であればあるほど、日本のサブカルに対する興味は薄れてしまっている。

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