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大瀬康一×鈴木美潮 元祖特撮ヒーローは「変身」しない正義の味方

大瀬康一(俳優)×鈴木美潮(読売新聞専門委員)

吹き替えなしで殺陣アクション

放映作品を収録した「月光仮面」のDVDの一部

鈴木 アクションはどうでしょう。屋根の上から飛び降りる場面も多かったですが。


大瀬 若いから恐怖心がなかったね。オートバイのシーンなど、本当に危険なアクションは吹き替えをお願いしたけれど、殺陣(たて)はほとんど自分でやりました。撮影初日に、いきなり怪我をしています。谷中(やなか)(台東区)の墓地で塀からコンクリート上に飛び降りて左足を複雑骨折しました。


鈴木 マットはない?


大瀬 何もないのが普通です(笑)。それでも撮影は続けないといけないから、入院先の病室で上半身だけ月光や祝の衣装を着て撮影しました。


鈴木 よく病院が許可しましたね。「仮面ライダー」(71~73年)で主演の藤岡弘(現・藤岡弘、)さんが、不慮のバイク事故で左足を複雑骨折、入院しましたが、本人が「やる」と言っても病院が許可しなかったそうです。


大瀬 今なら絶対にダメでしょう。僕も若かったからできたんです。最近になって、翌日雨が降りそうな日には古傷が疼いて知らせてくれるようになりました。

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