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パナソニックが日本より先に中国の「養老ビジネス」へ新技術を導入したワケ。中国新経済が急成長した背景にある政府の姿勢とは

日本企業にとっても大きなビジネスチャンス
西村友作

「養老ビジネス」に挑むパナソニック

2030年における高齢人口の割合は25%前後になるとの推計もある。高齢化社会で成長が期待されるのが「養老(ヤンラオ)」、すなわち介護ビジネスだ。

『数字中国 デジタル・チャイナ-コロナ後の「新経済」』(著:西村友作/中公新書ラクレ)

中国政府も急速に迫りくる高齢化に対し危機感をつのらせており、『第14次五ヵ年計画』においても、養老・介護産業の発展を推進していく方針が示されている。

この巨大市場に挑む日本企業がある。パナソニックだ。

2021年7月、中国江蘇省宜興(ぎこう)市に、健康養老コミュニティ開発会社である雅達国際ホールディングスと共同で、「雅達・松下社区」と呼ばれる「健康・養老都市」を開業した。合計1170戸を計画する高齢者向け住宅に、パナソニックの独自技術を採用した最新設備が導入される。

テーマは「健康」。例えば、手すりについた指紋センサーで人を識別し尿検査や血圧などの健康状態を測定できる高級トイレや、寝室の明るさを自動で調整してくれる照明システムなどが採用されている。

快適な暮らしの中で、自然と体調管理ができ病気のリスクを減らす。高額だが人気は高く、先行して販売した一部の物件はすでに完売している。

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