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全面侵攻から4年、ウクライナ新大使に聞く

ユーリ・ルトビノフ(駐日ウクライナ大使)×黒川祐次(元駐ウクライナ大使)
黒川祐次氏(左)、ユーリ・ルトビノフ氏(右) 撮影:薈田純一
 2022年2月24日のロシア侵攻開始から4年。交換留学で龍谷大学に学び、在日ウクライナ大使館に通算20年近くの勤務経験のあるルトビノフ氏が2025年7月、駐日ウクライナ大使に任命された。著書『物語ウクライナの歴史』で知られる黒川祐次・元ウクライナ大使が新大使に聞く。
(『中央公論』3月号より抜粋)

――ウクライナの将来の「安全の保証」に関して、ルトビノフさんは日本に何を期待しますか。


ルトビノフ まずは、日本政府のウクライナの主権と領土維持に対する、揺るぎない支持に感謝します。侵攻が始まって以来、巨額の財政支援、そして人道支援をいただいたことにもお礼を申し上げます。日本は軍事支援が法的に規制されているにもかかわらず、ウクライナにエネルギーやインフラ面で重要な支援をしています。越冬支援を含め、発電機、タービンなどの設備により、多くのウクライナ人の命が救われています。

 これから日本政府に期待するのは、もちろん復旧・復興の支援です。第2次世界大戦後の復興や、さまざまな大震災の後の復旧など、日本の経験に基づいた知見を、ぜひウクライナにも授けてほしい。加えて、G7やEUの国々と連携しながら、ロシアへの制裁を強化し、よりプレッシャーをかけていただきたいです。

 防衛分野での協力にも期待します。われわれは、ウクライナがこの戦争を通して得た最新知識を支援国と共有したいと考えています。水上ドローンや迎撃ドローン、爆撃ドローンなど無人機の技術、サイバーセキュリティも含め、防衛省庁レベルの協議で、深い意見交換ができると思います。今、東アジアの安全保障は緊張状態にあります。ウクライナが実戦で得た「現代の戦争」の教訓とノウハウを日本とシェアできれば、お互いに得るものが多いのではないでしょうか。

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