10年後も20年後も不動の定番になるシリーズに。マンガ界レジェンドによる、文庫『マンガ日本の古典』と『マンガ日本の歴史』の魅力とは
あの本が売れてるワケ 若手営業社員が探ってみた
中央公論新社の若手営業社員が自社のヒット本の売れているわけを探りつつ、しれっと自社本を紹介していく本企画。第6回は、全32巻からなる『マンガ日本の古典』と2022年6月22日発売の27巻で完結する『マンガ日本の歴史』を取り上げます。マンガ界のレジェンドたちが描いたロングセラーが、昨今再び注目を集めた理由に迫ります。
レジェンドたちが後世に残した『マンガ日本の古典』
まず取り上げるのが『マンガ日本の古典』です。1994年11月の刊行開始から、約27年経った現在でも版を重ねるロングセラー。『古事記』(石ノ森章太郎)、『平家物語』(横山光輝)、『吾妻鏡』(竹宮惠子)など、物語ごとにマンガ界のレジェンドたちが描いており、試験対策や学び直しなど、幅広い年齢層の方に親しまれています。
刊行後、受験を題材とした大ヒットコミック、『ドラゴン桜』(三田紀房・著/講談社)に本書が登場したことでも話題になりました。2003年10月に発売された1巻目で、落ちこぼれと言われていた学生たちを、東大へと導く伝説の弁護士・桜木が、古典・漢文の攻略に役立つのはマンガを読むことだと明言、古典にすぐに役立つと紹介した作品の中に、『マンガ日本の古典』と『マンガ日本の歴史』が登場します。
2019年の初め、さらに大きく仕掛けるため、クイズ番組『東大王』に出演して東大最強のクイズ王と呼ばれ、人気急上昇中だった伊沢拓司さんの推薦をいただくことに成功しました。すべての巻の帯に伊沢さんのコメントと顔写真を入れて展開。当時、伊沢さん案を出した宣伝部と営業が伊沢さんの事務所を訪れて、何度も打ち合わせを重ねました。元々、芸能人の方に特定の書籍の広告塔になってもらえること自体が珍しく、拡材に使う言葉からデザインまで試行錯誤を重ねたとのことです。