中央公論 2022年5月号

2022年5月号(4月8日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2022年5月号

【特集】プーチン暴走 世界の悪夢

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【 特集Ⅰ 】
プーチン暴走 世界の悪夢

ウクライナ戦争と国際秩序の将来
ゼレンスキーはチャーチルになれるか
▼細谷雄一

ロシアが仕掛ける 「ハイブリッド戦争」
▼廣瀬陽子

プーチン・ロシアでクーデターは起こるか?
「国家の中の国家」FSBによる浸透・統治とは
▼保坂三四郎

躊躇うアメリカ、窺う中国
「不信に支配された時代」に求められる自由主義の連帯
▼佐橋 亮


【 特集Ⅱ 】
正義と悪意の境界線

〔対談〕
乱発するキャンセル 今必要な「謝罪」と「許し」
▼森本あんり×武田 徹

匿名性の鎧を纏った「正義の戦士」がゆく
▼住吉雅美

世界で燃え広がるキャンセル・カルチャー
日米の事例から考える現代版「私刑」の功と罪
▼ベンジャミン・クリッツァー

キャンセル・カルチャーと欺瞞的「寛容」の時代に
逆説的「不寛容」のすすめ
▼河野有理


【特集Ⅲ】
オカルト・ニッポン

触れ得ない存在となった現代のイタコ
失われた「死者の声を聞く日常」
▼大道晴香

魔術研究とエロトロジー
戦前昭和のインテリとオカルティズムの交差
▼大尾侑子

ノストラダムスから聖徳太子へ
五島勉による終末論の行方
▼オリオン・クラウタウ

人と世界を把握する営みはどこへ向かうか
占いとスピリチュアリティが滲む社会
▼鏡リュウジ


時評2022

独裁者が戦争を決断するとき
▼井上正也

自由市場と商売の自由
▼坂井豊貴

国境を越える草の根の営み
▼小川さやか


ロシアが非難されるべき理由を理解するためにも
歴史教育で求められる「地球の住民」意識   
▼羽田 正

韓国新大統領が直面する内憂外患
▼西野純也

有権者の理由、候補者の事情をデータで見る
なぜ日本は女性議員が少ないのか
▼尾野嘉邦

私がまん延防止等重点措置延長に反対した理由
社会経済活動より感染対策を重視して私たちが失ったもの
▼大竹文雄


技術革新で明かされる動物の真の姿
鳥は飛びながら眠る   
▼渡辺佑基

「世界の知性」に聞く⑥
人生100年時代の より良い人生設計に向けて   
▼リンダ・グラットン/聞き手:佐藤智恵

ロバート キャンベルの1冊対談集⑧
時空を超える「家族の景色」   
▼河瀨直美/聞き手:ロバート キャンベル

ダイバーシティ経営の根幹は「好き嫌い」にある   
▼楠木 建

地球行商人 
味の素 グリーンベレー【第16回】   
▼黒木 亮


好評連載

琉球切手クロニクル⑰
返還目前に発行された「民俗行事シリーズ」
▼与那原 恵


炎上するまくら65
真打への挑戦
▼立川吉笑


地図記号のひみつ㉓
「集めて早し最上川」は「急流」
▼今尾恵介


連載小説

馬上の星──小説 馬援伝 【第13回】  
▼宮城谷昌光

チャンバラ【第3回】
▼佐藤賢一

南洋のエレアル【第14回】  
▼中路啓太


グラビア

海神の楽園⑰
▼撮影・文:伊勢優史

美しき琉球切手⑰
▼文:与那原 恵

《Mmoies》私の書斎
赤瀬川原平


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある㊶
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼赤井浩太

著者に聞く
▼高井ゆと里

このマンガもすごい!
▼石岡良治

Book Clip

2022年5月号【編集長から】

 連日、新聞やテレビでウクライナ情勢が伝えられています。ロシア軍の容赦のない空爆、侵攻する軍事車両。廃墟となった集合住宅、国外へ避難するウクライナ国民。ロシアの正義を訴えるプーチン大統領。暴挙を非難する西側各国。機能しなかった国連安保理。動こうとしない中国。ウクライナ軍の善戦、ロシア軍の誤算。核・生物・化学兵器使用への恐怖。世界を駆け巡る情報戦。拡散するフェイクニュース。エネルギー価格の高騰。円安。世界は今、どこに向かっているのでしょう。

 ウクライナが持つロシアへの対抗手段の一つがSNSです。ロシアが否定する市民への攻撃の実態などが次々と発信され、世界の世論を味方につけました。圧倒的なロシアの軍事力に対する強力な武器となっています。ただ、SNSの力が間違った方向に向かうと、人を苦しめる暴力に変わります。世界で問題になるキャンセルカルチャー。特集「正義と悪意の境界線」で。

 昔、庭で放し飼いにしていた数羽のチャボに猫が襲いかかりました。チャボは一斉に逃げて無事でしたが、6羽のヒヨコと母チャボが見当たらず、探すと屋根の上に。母チャボは飛べても6羽のヒヨコはどうやって屋根に上がったのか。これまでの人生で一番解せない出来事です。不思議大好き。真面目に特集「オカルト・ニッポン」。

編集長:吉山一輝