
2023年10月号【編集長から】
★ドラえもんの「ほんやくコンニャク」が現実になりつつある。外国人旅行者がよく訪れる店では、翻訳アプリを搭載したスマホや自動翻訳機を手にした店員が、対応する言語を選んで商品の説明をしている。駅の窓口では...
★ドラえもんの「ほんやくコンニャク」が現実になりつつある。外国人旅行者がよく訪れる店では、翻訳アプリを搭載したスマホや自動翻訳機を手にした店員が、対応する言語を選んで商品の説明をしている。駅の窓口では...
★ロシアと中国で、世界的に知られた人物が相次いで表舞台から消えた。6月下旬にロシアで反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏と、中国で外相と副首相級の国務委員を兼ねていた秦...
★天気の良い休日には、シェア自転車をよく利用する。スマートフォンのアプリを使ってポート(駐輪場)にある共用自転車を解錠し、目的地まで乗ったら別のポートに返却できる手軽さがいい。4月に改正道路交通法が施...
★安倍晋三元首相はトランプが好きだった。そう聞いて一瞬、アメリカの前大統領の顔が浮かんだが、さにあらず。政治家になる前の若い時分にポーカーを嗜み、「運が支配する騙し合いが面白い」と話していたと、安倍氏...
★コロナ禍では「ステイホーム」「自粛警察」など様々な標語や造語を耳にしたが、「デスク爆弾(desk-bombing)」という言葉を知った時の衝撃は忘れられない。英紙『フィナンシャル・タイムズ』に昨年秋...
★女ざかりは何歳までか。いや、その設問自体がくだらない。アジア系俳優として初めてアカデミー賞主演女優賞を受賞したマレーシア出身のミシェル・ヨーさんを見ていてそう思った。3月の授賞式のスピーチで、60歳...
★漫画家の松本零士さんの代表作『銀河鉄道999(スリーナイン)』では、機械人間や人工頭脳が支配する未来を、生身の少年が蒸気機関車に乗って旅をする。機械と人間、未来と過去が交錯する壮大な物語に魅せられ、...
★「消防署の方から来ました」と偽の制服姿でやってきて、高額な警報器類を売りつける。公権力をにおわせて金を騙し取る手口は「かたり商法」と呼ばれ、被害が後を絶たない。 ★安倍晋三元首相が昨年7月に非業の死...
★昨年末、広島に行く機会があった。原爆投下の3日後に運行を一部再開して復興のシンボルとなった路面電車に乗り、被爆の実相を伝える広島平和記念資料館の展示、かつての町並みや生活様式がうかがえる被爆遺構など...
★サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で日本が強豪ドイツに逆転勝利したのは、監督の思い切った戦術変更と選手交代が功を奏したことが大きい。これが中国のような巨大国家の運営となると、トップがいった...
★マイホーム用に購入した千葉県内の土地の草刈りに出かけた父が、警察官に職務質問された。50年近く前の話で、当時は東京、千葉、埼玉の首都圏で女性が殺される事件が相次いでおり、鎌を手に住宅街を歩く男はさぞ...
★イギリスのエリザベス女王の国葬を中継で見ていたら、街中を通過する棺や、それを映し出す広場の大画面に向かって、市民が盛んに拍手や歓声を送っていた。お国柄の違いに最初はぎょっとしたが、亡くなる2日前まで...
★アメリカ大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がスタジアム最深部にホームランを放つと、実況アナウンサーは「デッドセンター(ど真ん中)!」と絶叫する。同じ言葉を政治に用いれば、左と右のいがみ合いが高じて中...
★安倍元首相の通算在任期間は約8年8ヵ月で、長さだけで比較すれば、任期が2期8年までと決められて以降の米国の歴代大統領を上回る。訃報は瞬く間に世界を駆け巡り、米国では現地の7月8日朝から、バイデン大統...
★羊肉の串焼き、ザリガニ、アヒルの血を固めた「鴨血(ヤーシュエ)」の火鍋など、中国本土で人気の郷土料理をそのまま提供する店が最近、東京や近郊で増えている。日本人向けにアレンジされていない中華料理は「ガ...
★東京メトロはかつて営団地下鉄と呼ばれていました。当時の正式名称は「帝都高速度交通営団」です。大日本帝国の帝都。反発を感じる人もいたでしょうが、私は歴史の重みが伝わるこの名前が好きでした。歴史や小説に...
★認知症で入院していた母とは毎週末、病院の面会室でポテトチップスを食べていました。病院食に飽きた母の食欲は旺盛で、二人で黙々と食べ続け、毎回3袋は空にしました。食べている間は「いつ家に帰れる」と聞かれ...
連日、新聞やテレビでウクライナ情勢が伝えられています。ロシア軍の容赦のない空爆、侵攻する軍事車両。廃墟となった集合住宅、国外へ避難するウクライナ国民。ロシアの正義を訴えるプーチン大統領。暴挙を非難す...
2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻しました。許されない暴挙です。緊張が高まる中で、欧米各国は事態の鎮静化を目指して外交活動を展開。「ロシアは踏みとどまるのでは」との期待もありましたが、核までちら...
「親ガチャ」という言葉には、反発の声をよく耳にします。「努力不足を親のせいにするな」「親にはまず感謝せよ」。私もそうでした。経済成長が続いた昭和時代は、放っておいても親世代より豊かになれました。子供...
今月号の巻頭特集は大学です。コロナ禍の2年間、各大学は智恵を絞り、さまざまな工夫をこらして学生たちに対応してきました。感染症対策として導入したリモート授業は、その活用場所を広げ、海外との新たな交流促...
「君はいつも鼻が出てるねえ」。上司にそう言われたのはもう1年以上前のこと。あの頃は、いつまでたってもマスクに慣れず、気がつくと鼻を出して呼吸していました。それが今では鼻まできちんとマスクで覆い、帰宅...
日本で活躍する外国出身者がもっと増えて欲しいと思っています。グローバル化とか共生社会とか、そんな堅苦しい文脈で考えているわけではありませんが、海外の才能にとって日本が活躍したい場所であり、それを提供...
炭治郎は確かによくしゃべっていました。10月号に掲載した「2010年代ヒット漫画の饒舌と沈黙」で、著者の谷川嘉浩さんは大ヒット漫画『鬼滅の刃』を取り上げ、主人公が「感情や思考、体の状態を逐一報告して...