中央公論 2022年6月号

2022年6月号(5月10日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2022年6月号

【特集】老いと喪失 死と向き合う思想

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【 特集Ⅰ 】
老いと喪失 死と向き合う思想

社会が決める人間の寿命
利己的な生と公共的な死
▼小林武彦

老いと死の哲学的文法   
▼入不二基義/聞き手:斎藤哲也

効率化により変わりゆく葬送儀礼
死を社会的に受け止める意味を考える
▼山田慎也

思い出に浸るときが愛おしい
長寿の秘訣はおばさんに学んだ   
▼末井 昭/聞き手:オバタカズユキ

死と向き合うことの哀しみと希望
デイサービスという介護現場で   
▼六車由実

記憶の衰えと付き合うために
SOC理論の考え方とは   
▼増本康平


【 特集Ⅱ 】
ロシアの暴挙 揺らぐ秩序

〔対談〕トランプは再臨するのか?
ウクライナ侵攻で揺れる アメリカ社会の行く末    
▼渡辺 靖×横田増生

ウクライナ情勢以上のリスクとして
円高待望論が招く危機    
▼飯田泰之

戦争から得られる教訓
中国との情報戦に打ち勝つべし   
▼阿古智子

中央アジアの苦悩
国連決議と国民感情の狭間で   
▼ダダバエフ・ティムール×園田茂人


【特集Ⅲ】
戸籍の現在

婚外子差別、選択的夫婦別氏、人権侵害......
家族単位から個人単位の編製へ   
▼二宮周平

民法改正で無戸籍問題は解決するのか
▼井戸まさえ

赤ちゃんポスト、内密出産の課題
子どもの出自を知る権利を考える   
▼森本修代

造り上げられた「家」の観念
日本人を呪縛する「戸籍意識」   
▼遠藤正敬


時評2022

戦争を前に国際政治学者に何ができるのか
▼井上正也

金券と現金、ルーブルと円
▼坂井豊貴

カッコ良さの多様性
▼小川さやか


コメディアン出身のゼレンスキー大統領との意外な共通点
戦時指導者リンカーンの実像   
▼小川寛大

返還から50年 沖縄「復帰運動」とは何だったのか?
「沖縄を返せ」に歌われた強い願いと違和感    
▼与那原 恵

芸人にとって歓迎すべき状況か否か
お笑い界の競技化がもたらしたもの
▼寺西ジャジューカ

一茶と『歎異抄』に学ぶ 人生を軽やかにする流儀   
▼大谷弘至

地球行商人 
味の素 グリーンベレー【第17回】   
▼黒木 亮


好評連載

現代中国と少数民族④
高原の民・ナシ族にも押し寄せる資本主義の波   
▼安田峰俊


琉球切手クロニクル⑱
戦後に復活を遂げた「組踊」   
▼与那原 恵


地図記号のひみつ㉔
消えた歯車、残る工場   
▼今尾恵介


炎上するまくら66
自分の値段   
▼立川吉笑


連載小説

馬上の星──小説 馬援伝 【第14回】  
▼宮城谷昌光

南洋のエレアル【最終回】  
▼中路啓太

チャンバラ【第4回】
▼佐藤賢一


グラビア

海神の楽園⑱
▼撮影・文:伊勢優史

《Mmoies》私の書斎
▼寺山修司

美しき琉球切手⑱
▼文:与那原 恵


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある㊷
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼先崎彰容

著者に聞く
▼岡田憲治

このマンガもすごい!
▼川勝徳重

Book Clip

2022年6月号【編集長から】

★認知症で入院していた母とは毎週末、病院の面会室でポテトチップスを食べていました。病院食に飽きた母の食欲は旺盛で、二人で黙々と食べ続け、毎回3袋は空にしました。食べている間は「いつ家に帰れる」と聞かれずにすんだので。あるとき母が「ここはしょっちゅう映画の撮影をしてる」とぽつり。「そうなの」と問い返すと、ガラス越しに見える病院の中庭に目をやって「今もそこを兵隊さんが通ったよ」。もちろん私には見えません。認知症による幻覚でしょう。ただ、失うものが多いはずの老いの先で、私には見えないものが見えるようになるなら、それも悪くないかなと。今月の特集は「老いと喪失」です。

編集長:吉山 一輝

★ウクライナ侵攻以降、ロシアのプーチン大統領が公の場で発言する姿がめっきり減りました。メディア対応はお手の物で、年末恒例の記者会見が4時間を超えることもあったのに、長広舌の封印は身の危険を察してのことか。暴挙が招いた凄惨な事態に向き合う姿勢や、語る言葉を持ち合わせているとも思えません。

★「自分が大統領のままなら侵攻はなかった」とは米国のトランプ前大統領。人気は衰えず、バイデン政権を揺さぶります。能弁な政治家を横目に沈黙を続ける中国の習近平国家主席の動きもしっかり取り上げていきます。

五十嵐 文