中央公論 2022年7月号

2022年7月号(6月10日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2022年7月号

【特集】帝国の復活 覇権主義の亡霊

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【 特集Ⅰ 】
帝国の復活 覇権主義の亡霊

〔対談〕
大日本帝国と大英帝国の軌跡と交差
海洋国家の特性から何を学ぶか       
▼加藤聖文×君塚直隆

ロシア皇帝と重なるプーチンの姿勢    
甦る帝国地図──ロシア゠ウクライナ戦争   
▼池田嘉郎

毛沢東、蔣介石、習近平......
「皇帝」を生み出す中国のシステム    
▼岡本隆司

170年の自由の歴史から始まった国
アメリカ合衆国はエンパイアの夢を見るか
▼石川敬史

第三帝国という虚妄
ヒトラーはいかなる共同体をめざしていたのか   
▼芝 健介

600年の繁栄をもたらした理念と統治
オスマン帝国が遺したもの   
▼小笠原弘幸

変移するグローバル混合政体の現在
ネグリ゠ハートの〈帝国〉から考える   
▼水嶋一憲

なぜ帝国はフィクションで 悪の組織として描かれやすいのか   
▼架神恭介×辰巳一世×脇 雄太郎


【 特集Ⅱ 】
出口なきウクライナ戦争

元駐米大使が語る 日本が学ぶべき教訓
「反撃能力」を導入し「核戦力共有」の議論を  
▼佐々江賢一郎

世界は第三次大戦の瀬戸際 仏独日は阻止に動く時   
▼エマニュエル・トッド/聞き手:鶴原徹也

変容する戦争報道
ウクライナ報道と日本のテレビ   
▼音 好宏

ゼレンスキー大統領の要請にどう応えるか
国連安保理改革の方向性   
▼神余隆博


時評2022

未完の沖縄返還
▼井上正也

起業家、投資家に選ばれる国になるには
▼坂井豊貴

Society 5.0と中途半端なスマートさ
▼小川さやか


コロナとの闘い

新型コロナウイルス感染症対策分科会会長が語る
試行錯誤と微調整が特徴の日本の感染対策   
▼尾身 茂/聞き手:牧原 出

ベテラン駐在員の上海ロックダウン日誌
配給は当てにならず住民の共助で食いつなぐ   
▼匿名上海駐在員


韓国の20代男性は、なぜ、何に怒っているのか?   
▼福島みのり

レビューと考察の狭間で
映画評論は現代の観客に歓迎されているのか   
▼大山くまお

穏当で革新的な共同体のために
教育思想としてのファシリテーション   
▼渡辺健一郎

黒人が生み出した「ストリートの知恵」
ヒップホップは何を映し出すか      
▼有國明弘

温暖化で痩せるホッキョクグマ、太るペンギン   
▼渡辺佑基

〔鼎談〕
読書とコスパ
御都合主義の「ファンタジー」に振り回されず生きること    
▼鈴木涼美×山本貴光×吉川浩満

地球行商人 
味の素 グリーンベレー【第18回】   
▼黒木 亮


第23回 読売・吉野作造賞 発表

受賞作『バブルの経済理論』
▼櫻川昌哉

【選評】
北岡伸一/猪木武徳/山内昌之/白石 隆/吉川 洋/老川祥一/松田陽三


好評連載

琉球切手クロニクル⑲
日本との関係に苦悩した偉人たち   
▼与那原 恵

現代中国と少数民族⑤
岐路に立たされるムスリム「回族」   
▼安田峰俊

地図記号のひみつ㉕
市街地と農村──集落の表現   
▼今尾恵介


連載小説

チャンバラ【第5回】   
▼佐藤賢一


馬上の星──小説 馬援伝 【第15回】   
▼宮城谷昌光


グラビア

海神の楽園⑲
▼撮影・文:伊勢優史

《Mmoies》私の書斎
▼遠藤周作

言葉の海に漕ぎ出して


南極のアデリーペンギン  
▼渡辺佑基

美しき琉球切手⑲
▼文:与那原 恵

CLOSE-UP 封鎖された都市
上海


連載・コラム

ニュースの1枚

炎上するまくら67
▼立川吉笑

深層NEWSの核心

音楽には物語がある㊸
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼馬場紀衣

著者に聞く
▼森永真弓

このマンガもすごい!
▼石岡良治    

Book Clip

2022年7月号【編集長から】

★東京メトロはかつて営団地下鉄と呼ばれていました。当時の正式名称は「帝都高速度交通営団」です。大日本帝国の帝都。反発を感じる人もいたでしょうが、私は歴史の重みが伝わるこの名前が好きでした。歴史や小説に登場する帝国や皇帝は、往々にして壮大な物語の中で主要な役割を演じ、ロマンを掻き立てられます。もっとも、自分がその時代に生まれたかったとは思いません。強大な権力が一人の人間に集中するとろくなことにならない。それは、歴史を振り返らずとも、今のロシアや中国をみれば明らかです。特集は「帝国の復活」です。

★もろもろ道半ばですが、今号で編集長を退きます。ありがとうございました。

編集長:吉山 一輝

★東京スカイツリーが5月で開業10年を迎えた。編集部の窓から見えるのは、かつて日本で最も高かった東京タワーの上からだいたい3分の1。高層ビル群に埋もれまいと、懸命に背伸びしているようにも見える。世界に目を転じれば、唯一の超大国・米国の覇権の象徴だったニューヨークのワールドトレードセンターが2001年の同時テロで崩壊し、その空白を埋めるかのように中東や中国など権威主義的な国家に超高層ビルやタワーが次々と建ち、ランキング上位を占める。天空にそびえ立つ姿が大きくなれば、落とす影も長くなる。                

編集長代理:五十嵐 文