中央公論 2022年10月号

2022年10月号(9月9日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2022年10月号

【特集】非・保守という選択肢 21世紀の左派・リベラル

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【 特集Ⅰ】
非・保守という選択肢 21世紀の左派・リベラル

〔対談〕
膨張する与党、棄権する有権者......
野党再生に足りないイズムと強さ
▼宇野重規×中北浩爾

 

1993年体制と「3・2・1の法則」
政治的選択肢の健全な拮抗のために
▼大井赤亥

 

〔対談〕
いま、『資本論』をひもとく意味
資本主義が倒れるか、先に地球が潰れるか
▼斎藤幸平×佐藤 優

 

欧州の社会民主主義勢力が直面する課題
四つの圧力、二つのジレンマ
▼近藤康史

 

2000年代ラテンアメリカの政治潮流
「ピンクタイド」は今どこへ
▼宮地隆廣

 

平成世代が描く左翼像
エンパワーメントによる新しい連帯のかたち
▼小峰ひずみ


時評2022

日中における「政経分離」の終焉
▼井上正也

「食べログ」訴訟と説明責任
▼坂井豊貴

「その他」に分類される言語の毒
▼小川さやか


剛腕大使はウクライナの家系
中露の強権は見過ごせない 私の使命感と家族の歴史
▼ラーム・エマニュエル

 

地政学から見たロシア・ウクライナ戦争
二つの理論のせめぎあい
▼篠田英朗

 

コロナ分科会会長インタビュー
「聞く力」はどこへ? 岸田政権と専門家の間に生じたギャップ
▼尾身 茂/聞き手:牧原 出

 

「異端」としての統一教会とその政治活動
戦後日本の宗教─政治関係史の間隙から
▼塚田穂高

 

気づけば「左」に立っていた
新参院議長の志と哀悼
▼尾辻秀久


【 特集Ⅱ】
人生後半戦の作法

〔対談〕
「人生の仕上げ」の秘訣を語る
60歳からは身軽で新しい自分へ
▼弘兼憲史×楠木 新

 

好奇心で動画やSNSを駆使
変わりゆくシニア女性のライフスタイル
▼藤谷千明

 

「職業日記シリーズ」快進撃の内幕
高齢読者の心をつかむ企画の原点
▼中野長武/聞き手:urbansea


〔対談〕
失われた独学と博学の復権
▼松岡正剛×高山 宏

 

生誕100年と哲学者の思想
21世紀の鶴見俊輔
▼黒川 創

 

〔鼎談〕
小田嶋隆とその時代
名コラムニストの仕事と思考を振り返る
▼えのきどいちろう×オバタカズユキ×武田砂鉄

 

色づけが生み出すスペクタクル
戦前・戦争写真のカラー化は何を見えなくしたのか
▼大山 顕


連載再開

冒険の断章【第33回】
届かないものについて
▼角幡唯介


好評連載

現代中国と少数民族【最終回】
虚実の間を揺れる客家の歴史と今
▼安田峰俊

炎上するまくら【第70回】
体験してみないとわからない!?

▼立川吉笑


地球行商人
味の素 グリーンベレー【第21回】
▼黒木 亮


連載小説

チャンバラ【第8回】   
▼佐藤賢一

ジウX【第3回】
▼誉田哲也


グラビア

海神の楽園㉒
▼撮影・文:伊勢優史

《Memories》 私の書斎
▼サトウサンペイ


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある㊻
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼諸富 徹

著者に聞く
▼松本直子

このマンガもすごい!
▼川勝徳重

Book Clip

2022年10月号【編集長から】

★アメリカ大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がスタジアム最深部にホームランを放つと、実況アナウンサーは「デッドセンター(ど真ん中)!」と絶叫する。同じ言葉を政治に用いれば、左と右のいがみ合いが高じて中道(center)が死んでいる(dead)現状を表す。過激なトランプ前大統領が退任後も影響力をふるい、2年後の大統領選での返り咲きも取り沙汰されるというから、分断は相当深刻といえる。

★日本の場合は2012年以降、自民党を中心とする保守政権が政界のセンターを占める。その軸が「右にずれて、気づけば左に立っていた」と、日本遺族会の前会長で「右寄りの中道」を自任してきた尾辻秀久参議院議長が本号のインタビューで語った。靖国神社に参拝するのは右、反対するのは左という物差しだけで政治家の立ち位置を判断しようとすれば、精度を欠く。左右の「横軸」に加え、主張が異なる相手を受け入れる度量の大きさや人間味といった「深度」にも目を向けたい。

★左右を取り込み膨張する与党に、多弱の野党はどう対峙すべきか。特集は「非・保守という選択肢」。政治勘とスラング満載の弁舌で政財界に食い込むラーム・エマニュエル駐日アメリカ大使を取材し、洋の東西を問わずリベラルは理屈優先という先入観は吹っ飛んだ。政治家は気迫の「強度」でも差がつく。

 

編集長:五十嵐 文