中央公論 2022年11月号

2022年11月号(10月7日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2022年11月号

【特集】勝者なきエネルギー戦争

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【 特集Ⅰ】
勝者なきエネルギー戦争

〔対談〕
石油ショック以来の転換点
問われる日本の技術と外交力
▼小山 堅×渡部恒雄

 

民間が担いきれなくなった日本の原子力事業
求められる産官学の連携と政治のリーダーシップ
▼竹内純子

 

経済産業大臣インタビュー
再エネ、火力発電、原発再稼働......あらゆる選択肢を排除しない
▼西村康稔

 

イチから分かる徹底解説
燃料価格高騰で再エネは「安価」になる
▼本橋恵一

 

ドイツのエネルギー自立が意味するものは?
戦争によって加速する脱炭素化の流れ
▼西村健佑

 

石油が塗り替えた世界地図
カタール、バーレーン建国に見る、エネルギーの歴史と国際秩序
▼向山直佑


時評2022

「安倍一強」と宗教
▼井上正也

COCOAの終わりと「静かな退職」
▼坂井豊貴


新型コロナで花開くギグ・エコノミー
▼小川さやか


日米台は戦後最大の危機に対応できるか      
台湾不在の台湾有事論
▼林成蔚 加藤洋一

 

台湾海峡は「今後数年が最も危険」
米国は中国を抑止できるか
▼マイケル・ベックリー

 

〔鼎談〕
陸海空 元自衛隊幹部が熱く語る
『トップガン マーヴェリック』に見る現代の軍隊
▼永岩俊道×香田洋二×山口 昇

 

ソ連を崩壊させた革命家、ゴルバチョフ
▼池田嘉郎

 

いつも本気で叱ってくれた
稲盛和夫の思想と行動
▼前原誠司


【 特集Ⅱ】
バラエティが映すテレビの現在地

「仕切り役不在」の言論空間
キャスターよどこへ行く
▼松山秀明

 

「アメトーーク!」から「あちこちオードリー」「有吉の壁」まで
ひな壇というシステムは何をもたらしたのか
▼西澤千央

 

テレビだけでなくラジオやネットへと越境
令和4年の佐久間宣行
▼寺西ジャジューカ


1億年変わらない渡りの経路
インドのツルの神秘
▼全 卓樹

 

人間に似る野生動物の社会行動
サルの民主主義、コウモリの育児
▼渡辺佑基


令和4年 谷崎潤一郎賞発表

【受賞作】
吉本ばなな『ミトンとふびん』

【選評】
池澤夏樹/川上弘美/桐野夏生/筒井康隆/堀江敏幸

文学的近況 還暦前の区切り
▼吉本ばなな


自己決定権尊重要求とのせめぎ合い
たばこ規制について考える
▼玉巻弘光

 

視覚型から接触型の観光へ
暮らすように旅する
▼青田麻未


好評連載

炎上するまくら【第71回】
芥川賞作家への道
▼立川吉笑

冒険の断章【第34回】
開高健と三島由紀夫を隔てるもの
▼角幡唯介


地球行商人
味の素 グリーンベレー【第22回】
▼黒木 亮


連載小説

チャンバラ【第9回】   
▼佐藤賢一

ジウX【第4回】
▼誉田哲也


グラビア

海神の楽園㉓
▼撮影・文:伊勢優史

《Memories》 私の書斎
▼岡本太郎


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある㊼
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼八鍬友広

著者に聞く
▼加藤よしき

このマンガもすごい!
▼石岡良治

Book Clip

2022年11月号【編集長から】

★イギリスのエリザベス女王の国葬を中継で見ていたら、街中を通過する棺や、それを映し出す広場の大画面に向かって、市民が盛んに拍手や歓声を送っていた。お国柄の違いに最初はぎょっとしたが、亡くなる2日前までトラス新首相任命という大事な公務をこなし、市民に奉仕を続けた女王への称賛や労りを表すには、涙より拍手が似合う気もしてきた。舞台の幕が下りてもやまない喝采に似ている。

★中国では、女王に先立つ稲盛和夫氏の逝去が大きく報じられた。交流の深かった前原誠司氏が本号で語ったように、稲盛流の経営哲学は「利他の精神」であり、これが拝金主義と行き過ぎた競争に疲れた中国の経営者の心に刺さり、この10年ほどは翻訳された著書を読み解く会が頻繁に開かれていた。「ただし中国に影響を与える日本の経営者は稲盛さんが最後でしょう」とは知人の中国人記者。政財界を問わず「一強」を好まなかったという稲盛氏の遺訓は、中国にいつまで留まるだろうか。

★気づけば4号連続で追悼や故人にまつわる原稿を掲載し、小欄で紹介していた。安倍晋三元首相をはじめ国や時代に影響を与えた人物の訃報には、生きる者に故人を偲ぶ以上の思索を促す力がある。本号に池田嘉郎氏が寄せたゴルバチョフ氏の評伝は、旧ソ連から今のロシアへの変遷をたどるのに必読の一篇だ。

 

編集長:五十嵐 文