中央公論 2022年12月号

2022年12月号(11月10日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2022年12月号

【特集】隣にいる殺人者

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【 特集Ⅰ】
隣にいる殺人者

〔対談〕
凶悪犯罪から垣間見る日本社会
事件・犯人・メディア
▼磯部 涼×インベカヲリ★

 

統計が示す反直感的ファクト
ゼロ年代以降の殺人を犯罪学から読み解く
▼岡邊 健

 

小説と犯罪
物語なき時代のテロ
▼島田雅彦

 

「革命」志向から若者論・世代論に向かい、そして......
「犯罪論」の時代
▼パンス

 

高齢者はなぜキレやすいのか
▼川合伸幸

 

麻薬、移民、ヘイト・クライム......
3億丁を超える銃が流通するアメリカの過去と現在
▼西山隆行


時評2022

台湾危機と日本外交の役割
▼井上正也

これからも時評は成立するのか
▼坂井豊貴


増える遭難、登山の魅力
▼小川さやか


戦略論の世界的権威が説く
ウクライナ戦争は「18世紀の戦争」である
▼エドワード・ルトワック 聞き手・翻訳:奥山真司

 

「新しい資本主義」を経済学的に検討する
「貯蓄から投資へ」で資産所得は倍増するか
▼二神孝一

 

脱派閥を掲げた派閥の歴史
清和会の誕生
▼井上正也


新連載

学問と政治~新しい開国進取 安全保障編【第1回】
学者が書斎の外に出るまで
▼北岡伸一


【 特集Ⅱ】
国防のリアル

運用重視、反撃能力、防衛費増額......
「安保三文書」改定がもたらす政策の変化
▼千々和泰明

 

意識調査からみた日本人の自衛隊像
「関心派」と「無関心派」の間で深まる分断
▼吉田 純

 

相次ぐ企業の撤退
なぜ日本の防衛産業は育たないのか
▼清谷信一


〔ルポ〕
スペイン銃撃犯安楽死事件
犯罪加害者の「死ぬ権利」は認められるのか
▼宮下洋一

 

国際結婚破綻に伴い海外から批判の声
日本は「子の連れ去り大国」
▼佐藤友紀

 

出会いの新地平
オンライン婚活プラットフォームの現代史
▼佐藤 信

 

〔対談〕
令和マンガ事情
ジャンプ+、ウェブトゥーン、新人発掘と編集者......
▼石岡良治×川勝徳重

中公新書、創刊のころ
起点としての1962


好評連載

冒険の断章【第35回】
世界をとらえるのは認識か行為か
▼角幡唯介

炎上するまくら【第72回】
クラウドファンディングで考えた
▼立川吉笑


地球行商人
味の素 グリーンベレー【第23回】
▼黒木 亮


連載小説

チャンバラ【第10回】   
▼佐藤賢一

ジウX【第5回】
▼誉田哲也


グラビア

海神の楽園㉔
▼撮影・文:伊勢優史

《Memories》 私の書斎
▼永井道雄


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある㊽
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼鳥飼玖美子

著者に聞く
▼徳本栄一郎    

このマンガもすごい!
▼川勝徳重

Book Clip

2022年12月号【編集長から】

★マイホーム用に購入した千葉県内の土地の草刈りに出かけた父が、警察官に職務質問された。50年近く前の話で、当時は東京、千葉、埼玉の首都圏で女性が殺される事件が相次いでおり、鎌を手に住宅街を歩く男はさぞかし不審だったに違いない。その場で父への疑いは晴れ、ほどなく別件で逮捕された小野悦男という人物が犯人とされた。殺人者はテレビの中でなく自分と同じ世界に存在すると、子供心に刻まれた。彼がこの件で冤罪、別の殺人で無期懲役となるのはずっと後のことだ。

★犯罪件数は減っているのに「治安が悪くなった」と感じるのはなぜか。最近の無差別殺傷の被害の大きさに加え、一般人が目にすることのなかった現場の映像や、加害者が残した言葉がSNSを通じて日常に流れ込み、追体験できてしまうこととも無縁ではないだろう。被害に巻き込まれることを恐れる人の一方で、「加害者は自分だったかもしれない」と思い詰める人がいる。特集は「隣にいる殺人者」。

★国の守りをめぐる政府の議論が節目を迎える。大学や民間企業との連携もカギとなる。「学者は政治に関わらず」という考えを排し、外交や国際協力の現場の先頭に立った北岡伸一氏の連載「学問と政治」が始まった。公文書に記録されない秘話を含め、日本の歩みとこれからを俯瞰する政治外交史となりそうだ。

 

編集長:五十嵐 文