中央公論 2023年4月号

2023年4月号(3月10日発売)

定価950円(本体価格864円)

電子版

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中央公論 2023年4月号

【特集】団塊の花道

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【 特集 】
団塊の花道

僕たちはどう死ぬのか
好き勝手やってきたから最後までやりたいことを
▼テリー伊藤

 

最後に頑張るときが来た!
男は島耕作、女は毒親 嫌われた世代の正の遺産は
▼上野千鶴子

 

自己イメージ、消費、健康意識、夫婦関係......
データで見る団塊のリアル
▼斉藤 徹

 

〔対談〕
「老害」批判をこえて
「リベラル世代」の政治家が築いたもの
▼海江田万里×古賀伸明

 

2040年の社会をイメージし、逆算で考える
高齢者の急増に社会保障は耐えられるか
▼香取照幸

 

超高齢社会を乗り切るべく「生涯観」の刷新を
「平均的な人生」を後続の世代に押し付けないために
▼筒井淳也

 

〔対談〕
世代間対立は先鋭化するのか
前例踏襲の限界と団塊ジュニアの抱える困難
▼永田夏来×西田亮介


時評2023

移民政策が生み出すドイツのダイナミズム
▼岩間陽子

「高齢者の集団自決」発言の背景にあるもの
▼井上智洋

同性婚をめぐる「人権」と「特権」のあいだ
▼河野有理


計量分析から考察する政治体制、同盟、核兵器
独裁者はなぜ向こう見ずな戦争を起こすのか?
▼安中 進

 

外交スピーチライターは『安倍晋三 回顧録』をどう読んだか
息遣い、口調が蘇る
▼谷口智彦 聞き手 清野由美

 

〔対談〕
狭間の国、日本から世界を見る
ウクライナ戦争のいま、問われる文化の力
▼青木 保×廣瀬陽子


【 特集Ⅱ】
ポスト・トランプのアメリカ

世代論が照らす政治地図
これから10年は民主党の時代へ
▼横江公美

 

共和党が掘り起こした票田
白人労働者の怒りは持続するか
▼ジャスティン・ゲスト

 

ネオコン、ペイリオコン、オルトライト、ポストリベラル保守......
変容と再編が進むアメリカの保守主義
▼井上弘貴

 

フランクリン・ルーズベルト以来の伝統が揺らぐ!?
混迷の時代を映す大統領図書館
▼豊田恭子


学問と政治~新しい開国進取 安全保障編【第5回】
『日本改造計画』 小沢一郎氏との関わり
▼北岡伸一

 

プラザ合意の立役者が語る
世界経済と通貨制度の現在・過去・未来
▼大場智満

 

〔対談〕
地図と流域から探る防災の知恵
二刀流で身を守れ
▼岸 由二×今尾恵介

 

マイノリティの視点から考える
本当の多様性とは?
▼乙武洋匡


好評連載

ロバート キャンベルの1冊対談集【第9回】
難民問題のヒントが江戸にあり?
▼渡部カンコロンゴ清花 聞き手 ロバート キャンベル

冒険の断章【第39回】
鹿狩りと調和的アプローチ
▼角幡唯介

炎上するまくら【第76回】
擬古典が古典になる日
▼立川吉笑


新連載小説

邪行のビビウ【第1回】
▼東山彰良


連載小説

ジウX【第8回】
▼誉田哲也


グラビア

海神の楽園㉘
▼撮影・文:伊勢優史

アメリカ大統領図書館を訪ねて
▼撮影・文:豊田恭子

《Memories》 私の書斎
▼北 杜夫


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある【第52回】
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼亀山郁夫

著者に聞く
▼宮下洋一    

気まぐれ映画館
▼三浦哲哉

Book Clip

2023年4月号【編集長から】

★漫画家の松本零士さんの代表作『銀河鉄道999(スリーナイン)』では、機械人間や人工頭脳が支配する未来を、生身の少年が蒸気機関車に乗って旅をする。機械と人間、未来と過去が交錯する壮大な物語に魅せられ、実家の部屋に映画版のポスターを貼っていたこともある。松本さんの訃報が流れたのと同じ220日、米国のバイデン大統領がウクライナの首都キーウを予告なしで訪れた。ロシアのミサイル攻撃が散発する紛争地を、世界最高レベルの警護対象である米国大統領が、8両編成の寝台列車で片道9時間半もかけて移動したと知り、煙をあげて星の海を進む蒸気機関車のイメージが重なった。999(スリーナイン)号と同様に見た目は旧式でも、安全対策は万全だったに違いない。

★ロシアによるウクライナ侵略開始から1年が経った。機械と人間が入り交じる戦場は、松本さんが描いたファンタジーとはかけ離れた悲惨な現実である。その戦地に欧米の指導者が次々と足を運び、苦境に喘ぐ人々を直接励まし、連帯を示している。技術が進み、画面越しに遠く離れた人と話ができる時代になっても、昔ながらのコミュニケーションがはるかに力強いメッセージを発することに気づかされる。

★編集部も節目は対面で知恵を絞り合う。特集は「団塊の花道」。有終の美を飾るように生きられるか。後に続く世代にとっても切実だ。

編集長:五十嵐 文