中央公論 2023年8月号
2023年8月号(7月10日発売)
特別定価990円(本体価格900円)
発売中
【 特集 】
維新の正体──自民一強は崩れるのか
〔対談〕
大阪どまりか、全国進出か 問われる政策・組織・党の顔
▼待鳥聡史×善教将大
政党は経営する時代
巨大与党と戦う武器はベンチャー精神
▼藤田文武
維新の組織風土と候補者集めの実情
▼松本 創
大阪のおばちゃんが惨敗した理由
▼谷口真由美
戦後日本政治の中の第三極政党
▼山本健太郎
新党成立と多党化を促す政党助成という制度
▼濱本真輔
「お笑い」と維新の会に共通するもの
「コストカット」が生んだ大阪の政治風土
▼井上章一
与党のキーパーソンが語る
自民党の強み、野党との向き合い方
▼森山 裕
時評2023
新しい歌を歌い始める勇気
▼岩間陽子
五公五民の中負担・低福祉国家、お金はどこへ消えた?
▼井上智洋
公と官のあいだの空間政治学
▼河野有理
学問と政治~新しい開国進取 安全保障編【第9回】
大学の内外の仕事とメディアとの関わり
▼北岡伸一
スーダン軍事衝突を現代史の中で考える
▼栗田禎子
日本の中の異国
日本のシン・中国人社会
▼中島 恵
〔対談〕
ガチ異国メシ、フホー、多文化共生......
移民社会ニッポンの縮図、北関東のリアル
▼室橋裕和×安田峰俊
【 特集Ⅱ】
社交の復権
〔対談〕
よき飲み会の思想
人づきあいの変遷を読み解く
▼苅部 直×髙木裕貴
マスク顔の心理学
▼河原純一郎
夜のインフラ、ラウンジとスナックの現在
▼谷口功一
〔対談〕
「文学の場所」が失われた現代
ゆるいつながりという処方箋
▼東畑開人×大木亜希子
〔対談〕
図鑑作成から学問的位置づけまで
牧野富太郎が拓いた日本植物の世界
▼塚谷裕一×鶴田想人
日本独自の文化"ととのう"はいかに生まれたのか
フィンランドサウナの誕生から「サ活」ブームへ
▼草彅洋平
72歳の彼が見据えてきたもの
あだち充の半世紀と現在地
▼碇本 学
南海トラフ巨大地震、首都直下地震、富士山噴火......
地方自治体は大規模自然災害にどう備えるか
▼鎌田浩毅
〔対談〕
歴史の空白を小説で描く
日本統治時代の台湾を舞台に
▼楊双子×古内一絵
〔解説〕
自分たちの歴史を客観的に見直す
▼三浦裕子
好評連載
文品 藤沢周平への旅【第4回】
歴史小説の開巻──「逆軍の旗」
▼後藤正治
炎上するまくら【第80回】
謝罪の達人
▼立川吉笑
連載小説
邪行のビビウ【第5回】
▼東山彰良
美土里俱楽部【第4回】
▼村田喜代子
グラビア
海神の楽園㉜
▼撮影・文:伊勢優史
Memories 私の書斎
▼朝倉 摂
連載・コラム
ニュースの1枚
深層NEWSの核心
音楽には物語がある【第56回】
▼小谷野 敦
書苑周遊
新刊この一冊
▼井上理津子
著者に聞く
▼山下洋平
気まぐれ映画館
▼三浦哲哉
Book Clip
2023年8月号【編集長から】
★天気の良い休日には、シェア自転車をよく利用する。スマートフォンのアプリを使ってポート(駐輪場)にある共用自転車を解錠し、目的地まで乗ったら別のポートに返却できる手軽さがいい。4月に改正道路交通法が施行され、自転車に乗る人は誰でもヘルメットを着用することが「努力義務」となった。すぐに調達したかったが、品薄で好みのタイプが見つからない。そうと知った友人が先日、着け心地の軽いヘルメットをプレゼントしてくれた。早速かぶって3ヵ月ぶりに街を走った。
★ヘルメット派はまだ少ない。行き交う自転車を試しに数えてみたら、着用していたのは30人中2人だった。着けなくても罰則があるわけではない。ただしヘルメットをせずに自転車で事故に遭った場合の致死率は、着けている時の2倍以上というデータがある。新型コロナウイルス感染拡大期には、マスクなしでの外出は考えられなかった。リスクが社会に広く知られるようになれば、ヘルメットなしで自転車に乗るのは憚られるという日がいずれ来るかもしれない。
★政界で吹き荒れた衆議院の解散風は、岸田文雄首相が見送りを決めていったん止んだ。マスクやヘルメットのように投票は「個人の判断」に委ねられ、後からリスクに気づくこともある。今のうちに各党の本質を見極めた方がいい。特集は「維新の正体」。
編集長:五十嵐 文