中央公論 2023年11月号

2023年11月号(10月10日発売)

特別定価990円(本体価格900円)

電子版

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中央公論 2023年11月号

【特集】不正と失態が組織をむしばむ

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【 特集 】
不正と失態が組織をむしばむ

〔対談〕
相次ぐ不祥事、経営の不条理
組織の「黒い空気」をいかに払拭するか
▼林 文子×菊澤研宗

マイナンバー、新型コロナ特別定額給付金......
行政・企業のDXが進まない理由
▼佐藤一郎

不祥事対応のエキスパート弁護士が語る
危機管理の要諦
▼木目田 裕

心理的安全性が強いチームを作る
▼村瀬俊朗

哲学と経営の交差点
「訂正」のダイナミズムを失った日本
▼東 浩紀

〔対談〕
「鉄砲を持った役人集団」の失敗から学ぶもの
関東軍の「独走」はなぜ起きたのか
▼加藤聖文×及川琢英


時評2023

アジアが目指すべき「冷戦」
▼岩間陽子

ジャニーズ問題で問われるマスメディアのあり方
▼井上智洋

nihongonomirai/にほんごのみらい
▼河野有理


〔対談〕
不十分なリスク・コミュニケーション、「前のめり」の専門家......
新型コロナ対応の教訓をどう生かすか
▼牧原 出×河合香織 聞き手:坂上 博

闇バイト、サイバー犯罪、ローン・オフェンダー......
令和の治安危機を食い止めろ──警察大学校元校長の緊急提言
▼安田貴彦

性加害事件としてのジャニーズ問題
▼藤森和美

学問と政治~新しい開国進取【第12回】
アメリカ同時多発テロと「岡本懇談会」の活動
▼北岡伸一

小泉・安倍政権はなぜ盤石だったのか
岸田内閣、長期政権の条件
▼竹中治堅


【 特集Ⅱ】
本屋さんの今

  

〔対談〕
愛書家×元祖カリスマ書店員
書棚に宿る店主のまなざし
▼鹿島 茂 間室道子

書店数は最盛期の3分の1に
本屋さん復活のカギは流通システム改革と新しい人材
▼星野 渉

〔ルポ〕
独立系書店の店主に聞く「うちのこだわり」
▼井上理津子

《Bookshop Memories》

自由な立場になった今、再訪したい書店
▼黒田東彦

私の「世界へ通ずる道」
▼森まゆみ

「東京泰文社」の思い出
▼松浦弥太郎

TSUTAYAが見せてくれた世界
▼小泉 悠


令和5年 谷崎潤一郎賞発表


【受賞作】
津村記久子『水車小屋のネネ』

【選評】
池澤夏樹/川上弘美/桐野夏生/筒井康隆/堀江敏幸

文学的近況 目の検査、賞、陽性、いもむし
▼津村記久子


宮﨑駿とオフ・スクリーンのメディア史
『君たちはどう生きるか』の宣伝戦略が浮き彫りにしたもの
▼近藤和都

〔対談〕
「月光仮面」放送開始から65年
元祖特撮ヒーローは「変身」しない正義の味方
▼大瀬康一×鈴木美潮

追悼 無着成恭
戦後教育の羅針となった「山びこ学校」
▼木村 元


好評連載

文品 藤沢周平への旅【第7回】
世話物の連作──『橋ものがたり』
▼後藤正治

炎上するまくら【第83回】
師匠の人間力
▼立川吉笑


連載小説

邪行のビビウ【第7回】
▼東山彰良

美土里俱楽部【第6回】
▼村田喜代子


グラビア

海神の楽園㉟
▼撮影・文:伊勢優史

本屋さんへ行こう!


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある【第59回】
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼桑木野幸司

著者に聞く
▼田野大輔

気まぐれ映画館
▼吉田伊知郎

Book Clip

2023年11月号【編集長から】

★政治家や官僚がよく使う片仮名語に「コミットメント」がある。岸田文雄首相は9月に国連総会で演説した際、多国間主義に「コミットしよう」などと2度言及し、公式文書にも説明抜きで使われている。日本のメディアは文脈によって「関与」や「公約」に置き換えたり、「コミットメント(確約)」とカッコ付きで説明したりしているが、それだけでは実行に向けた「決意」の強さや「責任」の重みが十分に伝わらない気がして、言い換えには毎回苦労してきた。
★片仮名語をそのまま使った方がしっくりするケースもある。念のため日本語を補いつつ紹介すると、有名企業の不祥事が相次ぎ、「コーポレートガバナンス(企業統治)」や「コンプライアンス(法令順守)」は十分だったのか、職場に「ハラスメント(嫌がらせ)」はなかったのかが問われている、といった具合だ。そしてジャニーズ事務所の創始者ジャニー喜多川氏は、日本のタレント文化の立役者として崇められるより、多くの少年を長きにわたり食い物にしてきた「プレデター(捕食者)」として記憶されるに値する。
★ジャニーズ事務所顧問弁護士の木目田裕氏が本誌インタビューで、性加害問題について「被害者や関係者の保護」「これからの行動で信頼回復を図ること」が必要だと語った。事務所が揺るぎないコミットメントを示す時だ。

編集長:五十嵐 文