中央公論 2024年8月号

2024年8月号(7月10日発売)

特別定価990円(本体価格900円)

電子版

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中央公論 2024年8月号

【特集】AI時代を生き抜くための事務

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【 特集 】
AI時代を生き抜くための事務

〔対談〕
文学と経営学から再考する
事務を知れば、世界の神経構造が分かる
▼阿部公彦×楠木 建

それでもなくならない事務の条件
「AIで仕事がなくなる」論文から10年の検証

▼海老原嗣生

日本唯一の総務専門誌前編集長が語る
バックオフィスこそが会社を変える
▼豊田健一

ワクワクする冒険を実現する方法が「事務」だ
▼坂口恭平

ナッジ、現在バイアス、参照点......
行動経済学でムダをなくす
▼大竹文雄

会社のなんでも屋?
名作漫画と当事者談から読み解く「総務の力」
▼辛酸なめ子


時評2024

欧州議会選が示す「もしトラ」以上の悪夢
▼三牧聖子

貿易摩擦が起きないのはよいことなのか
▼牧野邦昭

モディ首相のメディア統制は対岸の火事ではない
▼辻田真佐憲


シリーズ・人口減少という有事
物流の2024年問題は地方を襲う
――企業、荷主、消費者が打つべき対策
▼首藤若菜

 

国際版「虎に翼」の日本人裁判官
大国の政治圧力には屈しない
▼赤根智子 聞き手:五十嵐 文

 

アイデンティティの衝突と被害者意識のすれ違い
離散の民、クルド人の実像
▼今井宏平

 

〔対談〕
アメリカの問題、現実的な停戦ライン......
歴史的視座から考えるウクライナ戦争
▼北岡伸一×小泉 悠


【 特集Ⅱ】
登山の喜び、読む愉しみ

安全に登る10の方法、より楽しむ10のアイデア
▼羽根田 治

 

「登らず嫌い」はもったいない!
▼南野陽子

 

山との出会いで変わった自分
▼小椋久美子

 

『新エロイーズ』から『日本百名山』まで
登山史を作った素晴らしき本
▼石川美子


〔対談〕
「令和流」の光と影
「安定的な皇位継承」は実現できるか
▼原 武史×河西秀哉

 

愛子さまはなぜ職員となられたのか
日本赤十字社と皇室 150年の絆
▼小菅信子

 

〔対談〕
働かずに本を読む芸人に聞く、競争社会の歩き方
みんなもっとサボって本を読もう!
▼三宅香帆×ラランド・ニシダ

 

健康、嗜好の選択から考える
個人が生きやすい社会とは何か
▼岡本裕一朗


好評連載

学問と政治~新しい開国進取【第21回】
「密約」調査で本当に重要だったこと
▼北岡伸一

皇室のお宝拝見【第5回】
京極正宗
▼本郷和人

文品 藤沢周平への旅【第16回】
余生に趣あり――『三屋清左衛門残日録』
▼後藤正治

炎上するまくら【第92回】
座布団一つでどこへでも
▼立川吉笑


新連載小説

金波銀波【第1回】
▼澤田瞳子


連載小説

地上の楽園【第5回】
▼月村了衛


グラビア

皇室のお宝拝見【第5回】
▼本郷和人

山の絶景と危険
▼撮影:羽根田 治


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある【第68回】
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼水島治郎

著者に聞く
▼諸富 徹

このマンガもすごい!
▼三木那由他

Book Clip

2024年9月号【編集長から】

★今年、故郷広島に新たな名所が生まれました。エディオンピースウイング広島。Jリーグ、サンフレッチェ広島の本拠地は「まちなかスタジアム」を謳い、繁華街の紙屋町からも徒歩圏内の至便な立地です。ピッチと観客席の距離が最短8メートルという臨場感も売りもの。6月にはワールドカップのアジア2次予選が開催されました。「ここでプレーできる選手が羨ましい」「もっとこういうスタジアムが日本にできたら」という南野拓実選手のコメントを知り、誇らしい気持ちになりました。

★賑わうサッカースタジアムを離れ、南に15分ほど歩くと原爆ドームです。広島の人間にとって原爆の被害は遠い歴史上の出来事ではなく、私の祖母の妹も、原爆で命を失っています。いつも明るい祖母もその話になると口が重くなり、何も聞けず仕舞いでした。

★被害を思うと、投下したアメリカのみならず、惨禍を招いた日本の指導者たちに怒りを覚えます。しかし今号の特集で活写されているように、「組織の慣性」や「会議の雰囲気」に流された彼らの姿は、どこか私たちと地続きの存在に感じられます。「悪玉」を設定できない歴史は複雑ですが、だからこそ学ぶところが多いかもしれません。「まちなか」で文明の光と影が共存している広島の街を歩きつつ、昭和の戦争について考える夏にしたいと思います。

編集長:田中正敏