中央公論 2024年10月号

2024年10月号(9月10日発売)

特別定価990円(本体価格900円)

電子版

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中央公論 2024年10月号

【特集】学費値上げでどうなる教育格差

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【 特集 】
学費値上げでどうなる教育格差

コロナ禍前後の学力の変化
四つの教育政策の盲点と求められる実態把握
▼松岡亮二

〔座談会〕
落ちる「豊かさのスタンダード」
令和の大学生のリアル
▼岩本菜々×増村莉子×今井悠介

学費値上げしますか? 主要大学学長アンケート

全31大学の回答を読み解く
アンケートから見えた大学間の温度差
▼小林哲夫

なぜ国公立大学の学費150万円を提案したのか
教育の質向上で日本の危機を克服する
▼伊藤公平

放置された不平等の慣性(イナーシャ)
――授業料と財政支援の国際比較から見る日本の大学
▼苅谷剛彦

塾代は3年間で約250万円
中学受験ブーム過熱と「教育格差」論の落とし穴
▼おおたとしまさ

生活は楽でなくても実験に没頭してこその今
苦学生から科学の伝道師へ
▼米村でんじろう


時評2024

イスラエル擁護はG7の「基本的価値」か
▼三牧聖子

予測しづらい巨大地震にどう備えるか
▼牧野邦昭

パリオリンピックで日本が見落としたもの
▼辻田真佐憲


【 特集Ⅱ】
日米乱流──岸田退陣、トランプvs.ハリス

演出家を必要としていた政権
――不思議の宰相・岸田文雄論
▼竹中治堅

「令和のブラックマンデー」と円安問題
▼吉崎達彦

「レーガンの党」から「トランプの党」へ
共和党の変質導いた労働者階級の怒り
▼会田弘継

米民主党「二つの実験」
カマラ・ハリスを支える力学と「火種」
▼渡辺将人


【 特集Ⅲ】
熊本がすごい

くまモン、地震、半導体......
東大教授から県知事へ 4期16年のすべてを語る
▼蒲島郁夫

TSMCの戦略と日本の経済安全保障
▼鈴木一人

反骨の精神が生んだ文化力
▼姜尚中

怪獣モッコス
▼長谷川 櫂

サウナ「西の聖地」から見た風景
▼西生吉孝


分極化するヨーロッパ
「極中道(エキストリーム・センター)」は民主主義の救世主か、破壊者か
▼吉田 徹


人口減少という有事

なぜ女性は地方を去るのか
――試される自治体トップの本質的理解
▼小安美和

グローバルヒストリーから見た人口減少
――「人口の世界史」序説
▼脇村孝平


好評連載

学問と政治~新しい開国進取【第23回】
第2次安倍政権と積極的平和主義
▼北岡伸一

皇室のお宝拝見【第7回】
邨田丹陵《大政奉還》
▼本郷和人

文品 藤沢周平への旅【最終回】
遠い道程――『漆の実のみのる国』
▼後藤正治

炎上するまくら【第94回】
戦々恐々
▼立川吉笑


連載小説

地上の楽園 【第7回】
▼月村了衛

金波銀波  【第3回】
▼澤田瞳子


グラビア

皇室のお宝拝見【第7回】
▼本郷和人

災害や戦争を乗り越えてきた書物の宇宙
「知の大冒険―東洋文庫 名品の煌めき―」展

Memories 私の書斎
▼朝比奈 隆


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心

音楽には物語がある【第70回】
▼小谷野 敦


書苑周遊

新刊この一冊
▼根井雅弘

著者に聞く
▼玉野和志

このマンガもすごい!
▼三木那由他

Book Clip

2024年10月号【編集長から】

★卒業まで半年ほどとなった大学4年生終盤のこと。学生生活が残り少なくなったことに焦燥感を覚え、一足先に故郷で就職していた友人に、今のうちに何をしておくべきか尋ねました。電話口の彼はのんびりとした口調で、「そりゃあのう、徹夜でゲームとかしとりゃあええんよ。就職したらできんくなるんじゃけえ」。慶應義塾大学の4年間を広島弁で貫き通した男はさすが腹が据わっていると感心するとともに、肩の力が抜けた私はそれから毎晩ひたすら徹夜でゲームを......し続けたわけではありませんが、彼の言葉には救われる思いでした。

★そんなやりとりは今や牧歌的なようです。「令和の大学生のリアル」の座談会で驚いたことの一つが、今の大学生の忙しさ。授業の出席要件が厳しくなり、仕送りが減ったためアルバイトを頻繁に入れねばならず、3年生の夏休みは志望業界でインターン。社会人顔負けのスケジュールを聞くと、四半世紀前の大学生活からの変わりように、なんだか申し訳なくなりました。★2008年、熊本県知事選で当選した直後の蒲島郁夫先生に取材し、政治学者として自らの選挙の勝因を分析していただきました(「自民党の推薦を固辞した『理論』」)。知事を4期務めた後も、フレンドリーなお人柄はそのまま。16年前から変わらないことに嬉しくなりました。

編集長:田中正敏