中央公論 2024年11月号
2024年11月号(10月10日発売)
特別定価990円(本体価格900円)
発売中
【 特集 】
保存版 世界史を学び直す100冊
〔対談〕西洋史と東洋史の「達人」が語る
歴史を学び直して最後に見えてくるもの
▼岡本隆司×君塚直隆
「辺境」ヨーロッパが世界を変えるまで
▼君塚直隆
「アジア史」の構造をとらえる
▼岡本隆司
複合的な視点で見るアメリカ
▼青野利彦
イスラム史を普遍的な文脈で理解する
▼小笠原弘幸
ロシア・東欧史の見取り図
▼池田嘉郎
多角的に迫るアフリカ
▼武内進一
キリスト教の現代性
▼松本佐保
科学はどう営まれてきたか
▼神里達博
古代ギリシア以来の大問題「戦争とは何か」
▼石津朋之
20世紀の古典と人類史化する世界史
▼山下範久
脳卒中の後遺症の中、僕が前向きになれる理由
歴史を知れば「楽観性」が身につく
▼出口治明
時評2024
チェイニーとの抱擁と民主党に忍びよる新保守主義の影
▼三牧聖子
大正と令和、「米騒動」の共通点
▼牧野邦昭
「歴史から学ぶ必要はない」発言の真意
▼辻田真佐憲
【 特集Ⅱ】
石破新政権と日本のゆくえ
派閥解消、選挙の顔、右派、世代交代......
自民党の何が変わったのか
▼中北浩爾
野田新体制は転換点になるか
立憲民主党が政権を担うために必要なこと
▼菅野志桜里
新政権を待ち受ける日本経済の課題
――高圧経済、エネルギー、社会保障
▼飯田泰之
人口減少という有事
〔座談会〕
少子化をめぐるギャップを埋められるか
Z世代の異論にすべて応えます
▼増田寛也×宇野重規×白波瀬佐和子×能條桃子×古井康介
5人の政治家の群像劇
世代論で読み解くアメリカ大統領選挙
▼村田晃嗣
分断と対立のなかに芽生える共通項
アメリカではじまった次世代の経済政策の模索
▼安井明彦
現地調査で中国の戦略的転換を読み解く
迫る台湾有事のXデー
▼佐々木れな
コメ争奪戦を生んだ構造的要因と課題
「令和の米騒動」とは何だったのか
▼小川真如
令和6年 谷崎潤一郎賞発表
【受賞作】
柴崎友香『続きと始まり』
【選評】
池澤夏樹/川上弘美/桐野夏生/堀江敏幸
文学的近況
あのときの続き
▼柴崎友香
ニッポンの音楽と文化の核心
「洋楽離れ」から遠く離れて
▼佐々木 敦
追悼 伊藤 隆
伊藤史学が残したもの――遺産の彼方に
▼有馬 学
多数の意見と少数の意見
公共政策において民意はどこまで尊重されるべきなのか
▼杉谷和哉
巻頭特別企画
大学探訪 広島大学
好評連載
学問と政治~新しい開国進取【第24回】
集団的自衛権の見直しと平和安全法制
▼北岡伸一
炎上するまくら【第95回】
お打ち合わせ
▼立川吉笑
皇室のお宝拝見【第8回】
王羲之《喪乱帖》
▼本郷和人
連載小説
地上の楽園 【第8回】
▼月村了衛
金波銀波 【第4回】
▼澤田瞳子
グラビア
皇室のお宝拝見【第8回】
▼本郷和人
Memories 私の書斎
▼興津 要
新発見の書状が示す織田信長の実像
「信長の手紙─珠玉の60通大公開─」展
連載・コラム
ニュースの1枚
深層NEWSの核心
音楽には物語がある【第71回】
▼小谷野 敦
書苑周遊
新刊この一冊
▼林 凌
著者に聞く
▼富永京子
このマンガもすごい!
▼トミヤマユキコ
Book Clip
2024年11月号【編集長から】
★小社刊行の中公新書で人気ジャンルといえば「歴史」。60年前の創刊初期にも『宦官』『科挙』といった名作が出版されており、人気は不変です。近年で印象的だったのは呉座勇一さんの『応仁の乱』の大ヒットとその後の「○○の乱」ブームですが、もう一つは世界史への関心の高まり。今号でも寄稿してくださった小笠原弘幸さんの『オスマン帝国』をはじめ『漢帝国』『神聖ローマ帝国』『ビザンツ帝国』といった「帝国もの」が話題に。『隋』『唐』など中国王朝史シリーズも好評です。(日本でなく中国の)『南北朝時代』や『アケメネス朝ペルシア』といった少々マニアックなテーマも版を重ね、読者の皆さんの知的好奇心の旺盛さに驚かされます。今号の特集が世界史をより愉しむ一助になりますように。
★文芸批評など多方面で活躍されている佐々木敦さんですが、私にとっては何より音楽レーベルHEADZ主宰者。CDやライブを通してTortoise、The Sea and Cake、Mouse on Mars、Ovalらの実験的な音楽に出会うことができました。世界中の音楽に容易にアクセスできる時代の「洋楽離れ」は不思議です。
★雑誌の校了が迫るなか、立憲民主党代表選、自民党総裁選が行われる綱渡りの進行でした。特集「石破新政権と日本のゆくえ」は転換期の今必読の力作ぞろいです。
編集長:田中正敏