中央公論 2025年1月号

2025年1月号(12月10日発売)

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中央公論 2025年1月号

【特集】昭和100年、令和への教訓

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【 特集 】
昭和100年、令和への教訓

〔座談会〕
戦争、五輪、万博、美智子妃......
三世代から見た昭和の遺産
▼御厨 貴×酒井順子×古市憲寿

 

【戦前・戦中篇】

戦前の政党政治はなぜ滅びたか
議会への深い失望で「憲政の常道」は終わった
▼小山俊樹

 

治安維持法、戦争景気、大衆文化
「明るい」戦時下の日本
▼井上寿一

 

終戦のタイミングはあの時点しかなかったか
――戦争終結論から見た「814
▼千々和泰明

 

私が見てきた昭和①
満洲引き揚げがすべての原点だった
▼藤原作弥

 

【戦後篇】

〔対談〕
変わる国民感情、変わる教育観
戦後日本社会が消し去ったもの
▼養老孟司×岩村暢子

 

名宰相だったのか? 角栄神話の克服
▼井上正也 

全共闘運動から「しらける運動」へ
社会運動が「透明化」された1970年代
▼富永京子

 

生成から崩壊、後遺症まで
バブルへの認識の遅れがもたらしたもの
▼小峰隆夫

 

私が見てきた昭和②
全共闘、水俣病......「生きる」とは何か
▼最首 悟

 

私が見てきた昭和③
熱い60年代、冷めた70年代 そしてニューアカブーム
▼浅田 彰


時評2025

カオスか「結果オーライ」か?「半端」な日本政治の行方
▼境家史郎

「安いニッポン」に、賃上げと値上げの「自粛」は必要ない
▼渡辺 努

「あるべき家族」観と特定生殖補助医療法案
▼河合香織


【 特集Ⅱ】
トランプ復権、混迷する世界

戦後秩序の終焉と新たな秩序への希望
▼中西 寬

 

〔対談〕
「再び偉大に」ならず弱体化するアメリカ
"トランプ国王"誕生? 民主主義の破壊か再生か
▼森本あんり×渡辺 靖

 

与党敗北、「中抜き」政治、ポピュリズム
グローバルな潮流から日本政治の変容を読む
▼水島治郎

 

〔座談会〕
ガザ、相次ぐ災害、戦後80年......
2025年、「最低限の平和」を実現できるか
▼三牧聖子×牧野邦昭×辻田真佐憲


日本の「あるべき政官関係」を考える
官僚が矜持を取り戻すために
▼武藤敏郎

 

人口減少を逆手に取る
鹿島アントラーズ流まちづくりの勝ち方
▼小泉文明

 

『百年の孤独』の次は何を読む?
久しぶりに、面白い外国文学が読みたいな
▼都甲幸治


好評連載

皇室のお宝拝見【第10回】
高村光雲《矮鶏置物》
▼本郷和人

炎上するまくら【第97回】
舐めやがって!
▼立川吉笑


連載小説

地上の楽園 【第10回】
▼月村了衛

金波銀波  【第6回】
▼澤田瞳子


グラビア

皇室のお宝拝見【第10回】
▼本郷和人

今って昭和100年ですよね?
▼阪田マリン


連載・コラム

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深層NEWSの核心


書苑周遊

新刊この一冊
▼阿部公彦

著者に聞く
▼田村正資

このマンガもすごい!
▼トミヤマユキコ

Book Clip

2025 年1月号【編集長から】

★子どもの頃、生まれ年を聞かれると決まって「昭和52年です」と答えていました。「1977年」と西暦で答えると、英ロックバンド「オアシス」のことを「オエイシス」と呼ぶような、正しいけれど、どこか気恥ずかしい違和感を覚えたものです。平成に入ってその感覚は徐々に薄れ、西暦を用いることが増えました。それでもある時期まで、巻頭座談会で紹介されている後藤田正晴さんのように、年長者から「昭和で言ってもらわないとさっぱりわからん」といった反応がありました。行政書類に元号で記入するたび、そんな会話を思い出します。

2025年は「昭和100年」にあたります。戦争、復興、高度経済成長、学生運動、バブル......。小誌ではこの1年間、明暗さまざまな出来事が起きた昭和時代を振り返って参ります。また、1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が起きた1995年から30年の節目でもあります。日本社会の転換点となった激動の年の意味を問い直す機会にもなることでしょう。

★米大統領選はトランプ氏が勝利しました。第2特集では、国際秩序や民主主義の行方を危惧する論考が並びます。一方、どの寄稿も混迷の中に希望の芽を探る点でも共通しています。蛇は「復活や再生」の象徴とされることもあるとか。巳年がそうした1年になることを願います。

編集長:田中正敏