中央公論 2025年4月号

2025年4月号(3月10日発売)
特別定価1100円(本体価格1000円)
発売中
【 特集 】
「令和の働き方」で日本は大丈夫か
〔対談〕
「ブラック」も「ホワイト」も好き嫌いで選ぶ時代
人手不足がもたらすポジティブな変化
▼楠木 建×古屋星斗
現代の「竹槍と学徒動員」を超えて
Z世代にとっての会社と社会
▼舟津昌平
働き方改革、ハラスメント防止のしわ寄せから修正法まで
管理職はなぜ「罰ゲーム」になったか
▼小林祐児
働く女性は増加、それでも残る課題
男性の働き方改革なくして真の女性活躍はなし
▼治部れんげ
タニタ流の働き方改革
――希望する社員が「個人事業主」に
▼二瓶琢史
〔潜入ルポ〕
スポットワークの光と影
――「タイパがいい」だけで選んだ先にあるもの
▼若月澪子
「小さな仕事」で無理なく稼ぐ
年金縮小時代での「働く高齢者」のリアル
▼坂本貴志
【 特集Ⅱ】
ハックされる民主政治
偽情報の脅威、AIの可能性とリスク
デジタルテクノロジーの「負の影響」を乗り越える
▼谷口将紀
拡大するハイブリッド戦争
ロシアが仕掛ける各国への「戦争」
▼廣瀬陽子
ポスト「12・3」の韓国
禁じ手「戒厳」で露呈した現行憲法体制の限界
▼浅羽祐樹
「権威主義的リバタリアン」の台頭
なぜテックビリオネアは民主主義を破壊したがるか
▼木澤佐登志
【 特集Ⅲ】
トランプ政権、猛発進
「ディール外交」の深層を読み解く
異次元の米中競争と日米同盟の行方
▼パトリック・クローニン/聞き手:五十嵐 文
反リベラルの「常識の革命」と文化戦争
対イスラエル、ロシア外交にも及ぶ福音派の影響
▼前嶋和弘
脱炭素からの転換で何が起きるか
新たなエネルギー戦略と世界への衝撃
▼上野貴弘
トルドー退陣と25%関税の帰趨
カナダは「51番目の州」を乗り越えられるか
▼山野内勘二
時評2025
与党の試練、野党の試金石としての夫婦別姓問題
▼境家史郎
インフレで政府債務減も、大盤振る舞いはできない
▼渡辺 努
紛糾フジテレビ会見とフリー記者の倫理
▼河合香織
地下鉄サリン事件30年の教訓
オウム真理教を支配した「精神呪縛」の構造
▼大田俊寛
【シリーズ昭和100年】
「自粛」現象はなぜ生じたか
昭和最後の7日間と現代への教訓
▼河西秀哉
「口語の文化」と「変身の文化」
――放送100年と民主主義の可能性
▼長谷正人
追悼 野中郁次郎
『失敗の本質』の共著者として
▼戸部良一
新連載
ことばの変化をつかまえる【第1回】
「差異化」こそが原動力
――社会言語学者・井上逸兵さんに聞く
▼水野太貴
好評連載
皇室のお宝拝見【第13回】
並河靖之《七宝四季花鳥図花瓶》
▼本郷和人
炎上するまくら【第100回】
一人前の落語家になったら
▼立川吉笑
連載小説
地上の楽園 【最終回】
▼月村了衛
金波銀波 【第9回】
▼澤田瞳子
グラビア
皇室のお宝拝見【第13回】
▼本郷和人
休館前に体感したい 作品×建築×自然の美
昭和最後の夜
連載・コラム
ニュースの1枚
深層NEWSの核心
書苑周遊
新刊この一冊
▼十河和貴
著者に聞く
▼吉見俊哉
このマンガもすごい!
▼三木那由他
Book Clip
2025年4月号【編集長から】
★コンピュータのハッキング(hacking)のように、民主政治の仕組みをハック(hack)しようとする動きが広がっています。デジタルテクノロジーを利用した情報戦が展開され、選挙結果を左右する事態は、ルーマニアやモルドバで現実のものに。また、「2馬力選挙」「選挙ポスター枠の販売」など、制度の抜け穴をつくような手法は、日本でも頻繁に目にするようになりました。開かれた自由な選挙を維持しつつ、悪意からいかに制度を守ればよいのか。民主政治の再設計が必要な時期がきているようです。特集「ハックされる民主政治」では、最前線の攻防を活写します。
★人口減少がもたらした人手不足によって、日本人の働き方が転換点を迎えています。とりあえず「妻が専業主婦である男性正社員」の視点で考えればよかった時代は過去になりました。Z世代の若者、中間管理職、女性、定年後の高齢者、そしてスポットワーカーまで。働く人の属性が多様化したことで、仕事をめぐる問題も複雑化しています。今や「罰ゲーム」とも言われる中間管理職の一人としてはますます悩ましいですが、巻頭対談の楠木建さんによれば、現在の人手不足はこの数十年で「日本にとってもっともポジティブな変化」とのこと。力強いメッセージを心の支えにして頑張りましょう、中間管理職の皆さん!
編集長:田中正敏
今後の誌面作りのため、アンケートにご協力をお願いします。