中央公論 2025年12月号

2025年12月号(11月10日発売)

定価1100円(本体価格1000円)

電子版

11月10日発売

中央公論 2025年12月号

【特集】ポピュリズム時代の大学

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【 特集 】
ポピュリズム時代の大学

〔対談〕
「知のダイバーシティ」の舞台として
知への不信が広がる時代と大学の使命
▼苅谷剛彦×吉見俊哉

大衆から遊離した「リベラルの巣窟」への圧迫
トランプ政権の猛攻に怯むアメリカのアカデミズム
▼筒井清輝

ドイツにおけるポピュリズムと大学
――体制派・反体制派の知的競争
▼今野 元

女子枠、限定公募......あるべき制度改革は
ジェンダーの視座から捉える大学経営の課題
▼横山広美

ルポ・中国人留学生たちのリアル
――内向き化するコミュニティ
▼中島 恵

実在しない参考文献、知らぬ間の「盗作」......
学生の生成AI利用にどう向き合うべきか
▼桜井政成

危機をチャンスに
日本の大学は絶対に強くなれる
▼神田眞人


時評2025

いま政治評論になにが可能か
▼境家史郎

伊藤隆敏教授とも論争した「安いニッポン」の真因
▼渡辺 努

新型出生前検査による「責任の個人化」防止を
▼河合香織


【特集Ⅱ】
高市新政権と自民党

自民党、長期優位の秘密と限界
――政権交代なき政治モデルからの脱却を
▼野中尚人

「連立政権合意書」を読み解く
求められる経済政策の新時代
▼飯田泰之

公明党への思い、新総裁への期待
連立政権の心得は何か
▼大島理森


【特集Ⅲ】
なぜいま「地経学」なのか

〔対談〕
経済安全保障の「ゴッドファーザー」に聞く
政治家は夢想し、工程表を作れ
▼甘利 明×細谷雄一

〔対談〕
経済が武器化した時代
日本企業に必要な「不可欠性」とは
▼鈴木 純×鈴木一人

〔対談〕
前統合幕僚長が語る
安全保障環境、七つの大変化
▼吉田圭秀×神保 謙


中国流の国際秩序に対する日本の針路
「米国のいる世界」と「米国のいない世界」
▼佐橋 亮

〔対談〕
「見捨てられた人々」論を再検討する
本当の就職氷河期世代の話をしよう
▼海老原嗣生×近藤絢子

大阪万博「予約争奪戦」に思う
すべてが商品化され「攻略」を競う社会の限界
▼藤田直哉

【シリーズ昭和100年】
生誕100年、没後55年の「海と夕焼」
世界で再発見される三島由紀夫とその政治性
▼井上隆史


好評連載

皇室のお宝拝見【最終回】《聖徳太子二王子像》
▼本郷和人

炎上するまくら【第108回】終わらない歌
▼立川吉笑


連載小説

ジウ The Next【第7回】
▼誉田哲也


グラビア

皇室のお宝拝見【最終回】
▼本郷和人

Memories 私の書斎
▼戸川幸夫

明治から現代まで、未来の巨匠の卒業制作 
藝大取手コレクション展2025


連載・コラム

ニュースの1枚

深層NEWSの核心


書苑周遊

新刊この一冊
▼髙杉洋平

著者に聞く
▼井手英策

このマンガもすごい!
▼三木那由他

Book Clip

2025年12月号【編集長から】

2016年、トランプ氏が米国大統領に初当選した際の衝撃を思い返すと、担当した1冊の本の思い出が甦ります。水島治郎著『ポピュリズムとは何か』(中公新書)。14年に始まった企画の執筆が佳境に入った16年、英国のEU離脱に続いて、当初は泡沫候補と思われたトランプ氏が共和党の大統領候補となり、11月の本選でヒラリー氏を下します。その翌月に刊行された本書は発売当初の反響はもちろん今も手に取られ、今号でも今野元さんの論考で引用されているように、ポピュリズムを考える際には欠かせない本となりました。本書の特徴は、大衆迎合の政治潮流と斬って捨てることなく、20世紀半ばの南米などにも遡りながら、民主主義の矛盾を体現する存在としてポピュリズムを正面から論じたことでしょう。そんな一筋縄ではいかないポピュリズムの攻勢を受けている大学は、どう向き合うのか。巻頭特集では、単純な善悪二元論を超えた考察が並びます。

★事前の予想を覆し続けたという点では、今回の高市早苗政権の誕生も同じでした。最有力と見られた小泉進次郎候補を自民党総裁選で破ったものの、公明党が連立を離脱。そこから日本維新の会との閣外協力にこぎつけて政権発足......という経緯は「まさか」の連続でした。第2特集では、そんな激動に揺れた日本政治の本質を見つめます。

編集長:田中正敏


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