「中央公論 2020年9月号」より電子版スタート!

2020年9月号【編集長から】

★安倍晋三総理のインタビューで、橋本五郎さんと一緒に総理官邸に行き、生まれて初めて総理番記者に囲まれました。総理番は政治記者の登竜門です。一日中総理官邸に出入りする人にぶら下がり、話を聞き出すのが仕事です。机に座ってパソコンやスマホで簡単に情報が入手できる時代になんとも泥臭く感じます。ただ、ネットで流れる報道各社の情報が、彼らの地道な努力で支えられているのも事実でしょう。まずは当事者から話を聞く、そんな報道の基本を実践している若い記者さんたちが頼もしく思えました。


★今月の特集は「指導者たちの『失敗の本質』」です。失敗が許されない仕事は確かにあるでしょう。現在、指導者たちが直面しているコロナ感染対策も、人命に関わる以上は「許されない」のかもしれません。しかし、誰もが知っているように失敗は必ず起きます。それを正しく振り返ることができなければ、同じことが繰り返されます。誰も経験したことのない事態が続く今こそ、実績をアピールしたり功を誇ったりするよりも、当事者が失敗を正面から語って次へとつなげることが必要な気がします。それには、失敗を責め立てるだけの社会の風潮も改める必要があるでしょう。今号の編集作業でミスをして、部員にカバーしてもらった身で言うのは説得力に欠けそうですが。

編集長:吉山一輝