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2009年8月号【編集後記】

★私が生まれ育った淀川の上流域、大阪・京都府境近辺は、徳川幕府瓦解の舞台でした。野口武彦さんの著作に詳しいですが、鳥羽・伏見の軍事衝突で後退した途端、まだ戦線を維持していたにかかわらず譜代の淀藩が城門を閉ざし準譜代の津藩が対岸の山崎から橋本の旧幕軍陣地を砲撃するなど寝返りが相次ぎ、結局、将軍までが逃走。淀川堤、西国街道は敗兵であふれたといいます。これがわが故郷の「夜明け前」です。

★長期安定政権の結果、硬直化した体制では、ペリー来航以降の事態に全く対応できず、信望を失い「反幕」を時代の潮流にしてしまいました。そういえば現代の長期安定政権党も同じような目に。政権にとってマイナスとなるのが分かっていながら次々と自分の党を叩く人々が続出です。★「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」(J・アクトン)に倣うと「長期安定権力は長期安定的に腐敗する」ことになります。自民党政権は決して腐敗政権ではありませんが、しかし、あまりに長期になれ合いが続いたため日本の権力機構は明らかに堕落。小泉政権以降、自民党ですら自民党政治を批判し続けないと支持を得られません。ただ、選挙で極端な結果が出たとして、それで決着でしょうか。倒幕後の新政府は、中央集権、近代化という体制転換ビジョンを持っていましたが今の日本にそんなものはありません。長期安定腐敗に決着がつくまで日本の夜明けは遠そうです。(間宮)