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2010年2月号【編集後記】

★ミュージカル『エビータ』で有名なエバ・ペロンの夫、フアン・ペロンは一九四六年、アルゼンチンの国力の歴史的な頂点で大統領に上り詰めました。第二次世界大戦で局外中立を保ち、両陣営に食料、特に牛肉を売りまくったアルゼンチンはこの当時、世界の最富裕国の一つでした。

しかし政治は典型的な南米レベル。軍を背景にのし上がったペロンはポプリスモ(ポピュリズム)政策で、貧困労働者階層の歓心を得ますが、バラマキの結果、外貨を使い果たし放漫財政だけが残ります。その後はお定まりのコース、経済危機→政情不安→クーデター→ポプリスモ→経済危機の繰り返し。八〇年代にハイパーインフレ、二〇〇一年に対外債務不履行を引き起こし文字通りの国家破綻の憂き目にあいます。★このあと国際金融界でアルゼンチンの次と衆目の一致する国がありました。そう我が日本です。二〇年前、世界的な経済大国の地位にあった日本も今は見る影もなし。この間、政治崩壊は止まらず、継続的な経済政策は全くなし。むしろバラマキが常道に。★いかなる富をも前近代的な政治システムは食いつぶす、がアルゼンチンの教訓。日本ではようやく自民党を政権から引きずりおろしましたが、その後に来たのは、全く統一性のない政策と恫喝幹事長。さらに首相の脱税を検察。法の支配すら貫徹していません。この姿は、欧米の近代社会と中南米の「族長」のどちらに近いでしょうか。(間宮)