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2010年9月号【編集後記】

★哨戒艦撃沈に対し日本海で米韓軍事演習。毎度の事ながら北朝鮮の乱暴行為のお陰で東アジアはまた緊張です。聞くところによると、権力の世襲を強行するための環境作りという意図が、一連の瀬戸際戦術の裏にはあるとか。迷惑な話ではありますが、日本だって世襲政治の国、傍から見れば似たようなものです。

★そういえば半島で緊張が高まるとテレビニュースで北の将軍様のお姿と軍事パレードやマスゲームが映し出されますが、それを見るたびに、今年、目出度く後期高齢者になった母は「かわいそうに」とつぶやきます。「私が子どもの頃の日本とそっくり」。ちなみに母は、幼稚園の時に叩き込まれた「紀元二六〇〇年」のマスゲームをいまだに踊ることができます。★冷戦期に外交のリアリズムを説いた永井陽之助や若泉敬は、それこそ生涯をかけて日本が「愚者の楽園」に堕ちぬよう警鐘を鳴らしました。しかし歴史を読み返すたびに、昭和の戦争につっこむ前から日本は上も下も、すでに愚かであった事に気付きます。★その後、一体何が変わったというのでしょう。あの頃と同様、選挙で選んだ自分たちの政府を維持していくことすらできなくなっています。そもそも日本人は戦後、富以外に自らの力で獲得したものがあるのでしょうか。この二〇年、どうしていいか分からず、なし崩しに没落を続けています。結局、衆愚は誰かが振り付けてくれるのを待つしかないのもしれません。(間宮)