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2010年12月号【編集後記】

★「こんな偽善と詐術は、アメリカの占領と共に終わるだろう、と考えていた私はずいぶん甘かった。おどろくべきことには、日本人は自ら進んで、それを自分の体質とすることを選んだのである。政治も、経済も、社会も、文化ですら」(一九七〇年、三島由紀夫「果たし得ていない約束」より)

★久方ぶりに溌剌というものに接しました。今号に登場した中国の著名ブロガー安替氏。何という行動力、自己主張に楽天性。少々自信過剰。中国の政治状況は彼らネットの住人に好ましいものではないですが、社会の混沌と激動こそが活力を与えているとしか考えられません。自由な精神で世界に立っています。★そこで我が日本。現政権の隅々に至るまでの勘違いや傲慢だけが卑小の象徴ではありません。「政治も、経済も、社会も、文化ですら」その場しのぎと責任転嫁。誰も他者に頼り切り、挑戦や意志などは今やどこにもなし。三島とは全く違う意味で「偽善と詐術」に満ちています。★何故こうなったのか、ずっと謎だったのが今回、大久保潤氏の沖縄補助金中毒の記事を読んで氷解です。自らの生きる術をお上のカネに依存した途端、人は自立を忘れ、シャブ中のように堕落します。この点、沖縄は日本の縮図。戦後日本をタカリの巣窟に堕落させたのは、三島が指弾する戦後民主主義ではなく、天皇制軍国日本を支え、戦後も綿々継続された我が國体、一九四〇年体制であることは明確です。(間宮)