2011年6月号【編集後記】
★一九九五年、阪神・淡路大震災の約二ヵ月後に東京で地下鉄サリン事件が発生。二〇〇四年、新潟県中越地震の約二ヵ月後にスマトラ島沖でマグニチュード九・一の地震が発生。そのころから震災報道は激減し、世間の関心も薄れていった。
★頻発する余震、原発事故処理の長期化、エネルギー不足への不安もあって、今回の東日本大震災が一気に風化することは考えにくいが、今の世の中、「ニュース」は次々と更新されていくのが常だ。であるならば、いわゆる「遅いメディア」だからこそ、できることがあるのではないか。今月号に限らず、次号以降もそうした思いを持って、企画を立てていきたい。★今月から編集長を務めることになりました。よろしくお願いいたします。(木佐貫)
★団塊世代ならばいざ知らず、その後に生まれたバラけた世代となれば、集団生活を得意とする人は、めっきり少なくなるのでは。しがらみを断ち切り、勝手気ままに生きてきた現代人にとって、居留守も使えない生活環境は結構しんどいかもしれない。自宅を売り払って入った終の棲家で人間関係がこじれれば、大食堂も大浴場も地獄。地域社会から逃れてきたツケを最晩年に払わせられるかしら......。そんなことをつらつら考えながら、有料老人ホームを訪ねた。永久に一人で自宅にいられるはずもない。契約と注意点、必要な心構え、覚悟、備えとは何か。この道の達人にきいた。(中西)