2011年12月号【編集後記】

★ディスカバリーチャンネルの「サバイバルゲーム」が面白い。元英軍特殊部隊のベア・グリルスが、砂漠、極北、湿地帯など、過酷な環境下でいかに生き延び、脱出するかを実践する番組だ。食料調達、野営地探し、外敵から身を守る術など、感心しながら観つづけるうちにもうシーズン6。

★サバイバルに強い人と弱い人の差はどこにあるか。『奇跡の生還を科学する』によれば、コップの水を見て「まだ半分ある」と思うのではなく、「蛇口はどこか?」と考える人のほうが見込みがあるという。★巻頭特集では六人の方に、この世界を生き延びるための「蛇口」を探していただいた。(木佐貫)

★雑誌編集部の一ヵ月は、ゲラのある十日間とゲラのない二十日間とに分けられる。進め方の問題はさておき、ゲラのない最初の十日間は、可能性の大きさにうっとりし、続く十日間は、迷いと焦りと不安に覆われる。原稿を無事にいただいてゲラにすれば、あとはゴールへ向かうのみ。時間は少ししかない。あれ、道はなぜか急坂だ。――速く確実に走る方法を探しあぐねて、同じことを何度か繰り返す。ふと気がつけば秋の空。原稿の依頼文は、いつしか「来年の二月号で」となっている。(吉田)