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2012年4月号【編集後記】

★ある出来事が人にどれだけのストレスを与えるかを示す「ストレス点数表」なるものがある。「配偶者の死」「離婚」などが上位に来るのは当然だが、「単身赴任」「引っ越し」といった、住環境の変化も大きな負荷要因になるという。

葉上太郎氏のルポは、生きるために逃げたのに結果として命を早く落とすことになった福島県川内村の高齢者の話を取り上げた。とはいえ、放射線リスクと避難リスクを比較して、自己責任で行動せよ、というのは酷な話。「ジャーナリズムが専門家の主張を読み解いて伝えていく必要がある」(川端裕人氏)はずだが、この一年、それができていたかどうか。★今月号から表紙が変わりました。感想をお寄せいただけるとうれしいです。(木佐貫)

★太郎の上にも次郎の上にも何とやら、時間は誰の上にも過ぎてゆく。半年ぶりに会った母親を見て、「さすがに老けたな」と感慨にひたりつつ、一応言葉を呑み込んだのに、それを知らずか母親は、「あんたも老けたね」とポツリ。思ったことをすべて言葉にするのは相変わらずで、母子がよく似た証拠だが、月日の流れが示すのは母親の皺と息子の額の広がりだけではない。隣にいる孫だって大きくなっているのだ。もちろん、年を重ねることに不満はない。でも、年を重ねてわかったことは、たとえば佐分利信のような、渋い大人になる日が来ないということで、それがさみしい。(吉田)