2013年1月号【編集後記】

★エネルギー小国なのも、財政状況が悪いのも、自由貿易に活路を見出すしかないのも、自明のこと。

であれば、そんなに広くはない幅の中で、現実的な選択肢がいくつかある、そうあってほしいものだが、現在の多党乱立は果たして選択肢の充実につながっているか。メニューがどれだけ豊富でも、実際に食べられるものでなければ意味はない。★昭和の歌の魅力をじっくり語ってくださったのは、元ディレクターの長田曉二さん。一曲一曲、丁寧に歌詞の意味を説明してくださり、プロの見方を教わりました。読者の皆さんの、とっておきの「一曲」は何でしょうか。★今年最後の発行となりました。来年も引き続きよろしくお願い致します。(木佐貫)

★病棟の廊下を曲がった先で、知らない大きな男のひとが子どものように泣きじゃくっていた。なぜ幼い私が、一人その場面に出くわしたのか、もう覚えていない。「妻を送る」をテーマに皆さんの話を聞きながら、"あの日の男のひと"が甦る。★宗教特集でも、「死者との絆」に思いをいたす声を多く聞いた。死に別れた悲しみから抜けきれない、というのとは少し違う。現在を見つめながら、「ここにいない人」との絆を保つ――それは生きた人のみならず、生きる人をも慰める言葉に響いた。(打田)