2013年3月号【編集後記】

★小学校低学年の頃、放課後はいつも上級生に交じって遊んでいた。たいていは近所の空き地での野球。しかし貧打鈍足の下級生を、どちらのチームも引き取りたがらない。

そこで下された裁断は「万年キャッチャー」。打撃機会は無くとも、肩身の狭い思いをすることなく参加できる「超法規的措置」に感謝。たまに生意気にも一塁へ牽制球を試み、みごと暴投、怒られたりもしたが。★子どものほうがルールを柔軟に捉え、うまく使いこなすのかもしれない。年をとるにつれ、融通が利かなくなるということか。自分たちで作る、変更する、認めさせる、という意識が希薄では、ルールメイク競争で他国に敵うはずもない。TPP、憲法改正は我々にとっていい試金石になる。(木佐貫)

★現職国会議員の連絡先、所属政党、略歴などが一覧できる『国会要覧』なる手引がある。選挙等のたび改訂版が出るが、以前は毎回買い替えたりはしなかった。★そうもいかなくなったのは〇五年から。選挙のたびに顔ぶれが大幅に入れ替わるから、買い替えざるをえない。出版不況の昨今だが、『国会要覧』は小選挙区とポピュリズムのおかげで好調か。★今月は「今度の自民党は本物か」。与野党ともに重鎮がいなくなり、老害は薄まったが二世の若害は注目点かも。★弊誌で連載した浅田次郎さんの小説『一路』が二月二十五日に刊行されます。笑えて泣ける作品です。ぜひご一読を。(中西)