2013年5月号【編集後記】
★三月から四月にかけては人事の季節です。当編集部でも選手交代が行われます。★私自身、この編集部は三度目の配属です。それぞれ異動直後に「ソ連邦崩壊」「9・11」「3・11」が起こり、のっけからフル稼働。
おかげで"異動ボケ"を経験したことはありません。★考えてみると、東西対立が終わり、「争点あれど、対立軸なし」の状況で、ずっとこの雑誌に関わってきたわけです。いまだに「おたくの雑誌はリベラルだね」「ちょっと右寄り?」などと言われますが、特集「保守とリベラル」は、我々自身が古い図式を引きずったまま物事を見てはいないか、問い直すいい機会となりました。★佐藤優氏と若松英輔氏の新連載が今月から始まりました。ぜひお読みください。(木佐貫)
★後藤さんの名ノンフィクションをたどる旅は最終回。「よもやま話」「雑談」の語が頻出するとおり書き手に会って当時の話を聞いているのが大きな特徴。ノンフィクションの作法で書かれたノンフィクション案内と言うべきか。取材の多くに同行し、気安く会うには尻込みしてしまう大ベテランの謦咳に接したことはまさに役得。次号では完結記念対談を予定。ご期待ください。★代わって若松さんの新連載。「私のイエスは、『教会』には留まらない」の一節に心震える。引用するフランシスコ会聖書も買って準備万端、そこに思わぬ異動の辞令が。三年五か月、著者と読者の皆様に感謝。(小野)