2013年8月号【編集後記】

★「風が吹いた」とは、ある政党が選挙で予想外の大量議席を得たときに使われるフレーズだが、先の衆院選では自民党に風は吹かずとも、逆風をくらった民主党が大惨敗、いまだ党勢回復ならず。

「台風の目」だった維新の会はオウンゴール。どうやら参院選は無風か。波風が立つとすれば選挙後の政権与党内、と見立てて特集を組みました。★平地でも時速六〇キロに達する自転車レースで選手が受ける風圧は強烈。チームは先頭を順番に交代し、消耗を最小限に抑えながらレースを進める。当編集部でも、トップを引っ張る選手は毎号入れ替わる。重責を担った褒美は、私のすぐ後の編集後記。そんなのちっともうれしくない、と部員からの風当たりは強くなる一方です。(木佐貫)

 過ぐる一日、某所にて催されし西洋音楽演奏会に余もワイオリンもて参加す。演目といへばバツハ、ハイドンなど、大家中の大家の作許りなれば、疎かにはやり過ごし難し。勤勉なる面面に交じれば責任の重きを感じざるべからず。人前にて演奏するは十余年振りなれば、果たして思ふさまならず、朋輩らの足手纏いとなる虞れあり。知らぬ
顔を装ひしが搏動早まり緊張極に達す。さりながら、いざ舞台に上りて一音を奏づるや、昔取りし杵柄とはかくあらん、自然と身体躍動す。恰も幼時に覚えし泳法を忘れざるが如し。とはいへ、聞く者が如何に思ひしかは思惟の限りにあらず。(吉田)