2013年11月号【編集後記】

★この一ヵ月、めまぐるしい展開を見せたシリア情勢。アメリカの軍事介入が遠のき、化学兵器管理で合意すれば平和が訪れるわけではもちろんない。死者が一〇万人を超えたと言われる内戦はいまも続いている。

座談会「アメリカが『世界の警察官』をやめた日」をぜひお読みください。★座談会出席者のひとり、池内恵氏は著書『イスラーム世界の論じ方』の中で、「日本には『拝外』と『排外』の両極の間を激しく振り子のように揺れる習性があるのではないだろうか」と書いています。それがまさに当てはまるのが「英語」。畏怖、憧憬、諦観、軽侮......さまざまな感情が湧き起こり、適度な距離感で付き合うことができないのはなぜなのか、特集を組んで考えてみました。(木佐貫)

★あなたのために、駅前に留学したり、「聞き流すだけでうまくいく魔法のCD」も買ってみた。お金も使ったし、時間も費やした。なのにちっともうまくいかない。もう嫌だ。声も聞きたくない。人の誠意を踏みにじって、なんて酷い奴だろう。私の時間返してよ!サヨナラ! ★というわけで、日本人の英語に対する感情は、成就しなかった片思いに似ている気がします。これまでもこれからも英語と無関係な人生を送る人はいるはずですが、それでもなぜか堂々と「英語なんていらない」と断言できない。この「片思い」がいつか成就するのか、解き放たれる日は来るのでしょうか。(杉本)