2014年6月号【編集長から】

 初めまして。今月号から編集長を務めます安部順一です。これからは、このホームページで毎号、編集長お奨めの記事をご紹介していきたいと思います。

さて、5月9日の朝刊では、新聞各紙が1面で「2040年には、全国半数の自治体で若年女性が半減してしまう」という日本創成会議・人口減少問題検討分科会の推計を報じました。実はこの話、本誌6月号の特ダネで、「緊急特集・消滅する市町村523 全リスト」として、座長を務めた元総務大臣の増田寛也さんの提言のほか、詳細な市町村リストを掲載しています。ぜひ、皆様のお住まいの町、故郷の町の2040年の姿を見てください。

 同じ日の朝刊には、これも新聞各紙が1面で、STAP細胞の論文不正問題で、理化学研究所が小保方晴子ユニットリーダーの不服申し立てを退け、関係者の処分の検討に入ったと報じました。東大大学院情報学環教授の佐倉統さん、サイエンスライターの片瀬久美子さん、京都大学iPS細胞研究所特定准教授の八代嘉美さんによる座談会「STAP細胞事件の真相」は、この問題に迫ります。

 集団的自衛権の憲法解釈見直しなどを検討してきた政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の報告書は、5月中旬に出される見通しですが、安保法制懇の座長代理の北岡伸一さんは「安保法制懇報告書の意義」を一足先に論じます。やはり安保法制懇メンバーである防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛さん、自民党幹事長の石破茂さんらの論評は、集団的自衛権をどう考えるかの道しるべとなるでしょう。

 堅い話に飽きたら、「人生後半戦9――孫と向き合う」をどうぞ。作家の筒井康隆さん、詩人の谷川俊太郎さんと孫でスタイリストの谷川夢佳さん、落語家の柳家花緑さん、女優の中川安奈さんらの話を楽しんでください。

 最後にちょっとしたクイズを。ノンフィクション作家の工藤美代子さんらが執筆した「タニマチが政治家を殺す」。この政治家は誰でしょう。日銀総裁の黒田東彦さんの「ある経済学者に捧ぐ」。この経済学者は誰でしょう。答えは本誌で。

中央公論編集長 安部順一