2014年7月号【編集長から】

 こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。

 今月号の最大のお奨めは、復興大臣政務官の小泉進次郎さんが登場する緊急鼎談「人口急減社会への処方箋」です。先月号の緊急特集「消滅する市町村523 全リスト」は大きな反響を呼びましたが、今、何をすべきか、小泉さんと元総務大臣の増田寛也さん、宮城県女川町長の須田善明さんが話し合いました。

巻頭のカラーページを含めて計16ページの鼎談では、小泉さんが「現代版参勤交代」などを提案しており、ワンフレーズだけではない、小泉さんの「政治家力」も垣間見えます。ルポ「消える町・生き残る町を歩く」は、処方箋作りの具体的なヒントがいっぱいです。

 ビジネスマンなら、特集「外国人社長が来る!」が必読です。後継に初めての外国人社長を決断した武田薬品工業社長の長谷川閑史さんが「私が彼を選んだわけ」を、逆に、初の外国人COOとなったタカラトミーのハロルド・メイさんが「外国人経営者がぶつかる壁」を語ります。匿名座談会「日本の常識は通じない」では、外国人上司に仕える「誇り」と「悲哀」がにじみます。

 そういえば、まもなくW杯の開幕です。テレビ観戦の合間に、文化人類学者の今福龍太さんの「サッカーの哲学は街路に溢れだす」、慶応大学教授の海老塚修さんの「ビジネスの場としてのW杯」はいかがでしょう。艶っぽい話なら、「追悼・渡辺淳一」。作家の林真理子さんが「先生の教えてくれた『大人の世界』」を語り、作家の小池真理子さん、藤田宜永さんは夫婦対談で秘話を明かします。

 最後にちょっとしたクイズを。科学技術社会論研究者の佐倉統さんの「原発と鼻血とお化け」。何の論評でしょう。答えは本誌で。一部のネット書店でも購入できます。