2014年9月号【編集長から】

 こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。

 猛暑の8月を迎えました。8月というと、まずは「夏休み」を連想する人が多いかも知れませんが、一方で、月遅れのお盆、終戦記念日と続く「鎮魂」のときでもあります。「終活戦線異状あり」「敗戦日本に希望を灯した昭和の歌」の二つの特集には、そんな思いを込めました。

「終活戦線」では、葬式、墓、相続など終活ブームの背景を探るとともに、日本人の死生観の変化を考えます。養老孟司、島田裕巳、小椋佳、佐藤愛子、澤地久枝、田原総一朗、横尾忠則、毒蝮三太夫ら各氏の「終活」論に注目ください。「昭和の歌」は、焼け跡・闇市の時代に戻って、ペギー葉山、有馬稲子、小林亜星、保阪正康ら各氏と一緒に口ずさみます。

 もう一つの特集「対中韓情報戦 日本反撃のとき」は、「河野談話」の検証を機に、情報戦をどう制するかを考えました。検証メンバーでもある秦郁彦さんが「検証から見えてきた慰安婦問題」を執筆しているほか、ワシントンからケント・カルダーさん、外相経験者として町村信孝さんらが語ります。

 さて、締め切り間際に、「マレーシア機撃墜」の悲報が飛び込んで来ました。「親露派暴走」の背景、経済制裁の行方、民間航空会社の危機管理など、様々な角度からの緊急分析をお届けします。

 最後にちょっとしたクイズを。仙谷由人さんの「原発と自然エネルギーへの大胆な投資で快適生活、経済成長を」。仙谷さんはある政治家の「原発・即ゼロ論」を運動論として切り捨てます。この政治家はだれでしょう。山田五郎さんの「嗜好品を楽しめない社会に、未来はない」。山田さんが特に強調したい嗜好品は何でしょう。答えは本誌で。一部のネット書店でも購入できます。