2014年10月号【編集長から】

 こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。

 9月3日の内閣改造で、安倍政権の支持率が再び上向き始めました。さらに、拉致交渉でも月内には幾ばくかの進展がありそうです。いわば、安倍政権に上昇気流というわけですが、一方で目立つのは野党のふがいなさです。そこで、今月号の特集はズバリ、「今、野党を問う」です。

もっとも、米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーンさんによれば、野党という立場の厳しさはどの国も同じようで、星浩、橋本五郎両氏の対談では「絶望するな!」とエールも。そうした中、野党再編の旗手と目されてきた民主党前幹事長、細野豪志さんの「わが民主党改革宣言」の波紋はいかに。

 もう一つの特集「拉致カードを切る北朝鮮の"窮状"」では、「謎の日本人」に焦点を当てた石丸次郎さんのルポが興味津々です。また、STAP細胞事件をなぜか思い出す特集「『文系』『理系』の埋まらぬ溝」は、福岡伸一、大竹文雄、永田和宏、隠岐さや香ら各氏の切れ味鋭い分析に注目ください。

 さて、カラーページから始まる「五十代男性のここが気になる!」は、本誌初登場の壇蜜さんと酒井順子さんの対談です。私も、これは同席せねばと勢い込みましたが、開始10分で「該当者がいると話しにくい」と女性編集者から退場勧告。結局、対談内容はゲラで知ったのでした。

 最後にちょっとしたクイズを。藤森徹さんの「こんな社長が会社をつぶす!」。社長タイプ別の倒産確率ランキングでワースト1位は「計数面不得手」ですが、2位は何でしょう? 岡田斗司夫さんの「そしてヤンキーもオタクもマイルドになった」。オタクは専門知識を生かしてクリエイターになりましたが、ヤンキーは何になったでしょう? 答えは本誌で。一部のネット書店でも購入できます。