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2014年11月号【編集長から】

こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。

 メディアはどうあるべきか、深く考えさせられた夏でした。朝日新聞が一連の慰安婦報道の一部を取り消し、福島第一原発事故を巡る「吉田調書」を撤回した問題です。特集「メディアと国益 朝日問題から考える」では、自戒を込めてこの問題を考えます。

朝日の慰安婦報道検証第三者委員会の委員となった北岡伸一さん、田原総一朗さん、委員会が意見を聞くとしている木村幹さんのほか、竹内洋さん、朝日出身の早野透さんらの論考をぜひお読みください。

もちろん、政府にとっての国益と各メディアが考える国益は、必ずしも一致するわけではありません。田原さんが指摘されているように、「ジャーナリズムは国家権力の監視者」であり、メディアが容赦ない政府批判を浴びせることもあるでしょう。ただ、今回は「誤報」が国益を損なったわけで、その点は峻別して考えていかなければなりません。

 「菅官房長官が語る 安倍政権、次の一手」では、政権のキーマンが地方創生から日中・日韓関係、そして霞ヶ関の掌握術まで語り尽くします。もう一つのお薦めは、米共和党、民主党の安全保障問題の重鎮であるアーミテージ・キャンベル共同声明「アジアにおける抑止力を強化する」。中国と北朝鮮を抑止戦略の対象とし、「グレー・ゾーン」への理解を示すなど、オバマ外交の枠を超えて、米国の安保戦略が転換点にあることが実感できます。

 さて、読書の秋です。特集「教養人の書棚」、「谷崎潤一郎賞の50年」を読みながら、秋の夜長を過ごしては如何でしょう。

 最後にちょっとしたクイズを。竹下景子さんと田良島哲さんの対談「この秋、上野で国宝三昧 時空を超えた祈りに耳を傾ける」。竹下さんが「忘れられない思い出がある」と話す「縄文の女神」って、どんな国宝でしょう? 答えは本誌で。一部のネット書店でも購入できます。