2015年1月号【編集長から】

 こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。

 総選挙さなかの発売となった今月号の特集は、「アベノミクス総選挙! 2015年を読む」です。総選挙の焦点である政治のあり方を街鳥聡史さん、アベノミクスを早川英男さん、外交を宮家邦彦さんが読み解くほか、米国、欧州、アジアの情勢から認知症、マグロ・ウナギ、家族まで、さまざまなテーマについて専門家が2015年はどうなるかを分析します。

2015年は戦後70年の節目の年です。本誌でもシリーズ「戦後70年 日本を問い直す」を始めます。第1回は特集「私たちはどう変わったのか」で、山崎正和さん、猪木武徳さんがそれぞれ、戦後70年を総括します。また、世代の異なる竹内洋さん、佐藤卓己さん、佐藤信さんがそれぞれ5本の論考を選び、それをもとにした鼎談「論壇は何を論じてきたか」もお見逃しなく。

 さて、文豪・谷崎潤一郎と、「細雪」のモデルとなった妻・松子、その妹・重子との間で交わされた未公開書簡が見つかり、「谷崎 情愛の288通 『細雪』モデル 妻・松子らとの書簡」(読売新聞)などとメディアで話題を呼びましたが、千葉俊二さんの「文豪谷崎潤一郎と松子・重子姉妹の奇妙な恋愛劇」は、中でも重要な6書簡の全文を掲載するとともに、恋愛劇の真相に迫ります。

 また、宮城谷昌光さんの新連載小説「呉漢」、宇野常寛さんの「テレビドラマが時代を映す」、結城豊弘さんの「この役者ええやん!」、長田暁二さんの「唄う戦後70年史」、さらに経営者インタビュー「THE LEADER〜戦略を語る」など、新連載も続々登場します。

 最後にちょっとしたクイズを。「追悼・高倉健」で、健さんが「ご遺族に迷惑をかけるわけにはいきません。この映画は断念します」と言って、幻となった映画があったことを、横尾忠則さんが明かしています。だれをテーマにした映画だったのでしょう? 答えは本誌で。一部のネット書店でも購入できます。