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2016年3月号【編集長から】

 こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。

 日韓関係に影を落としてきた慰安婦問題での両国政府の合意は、「戦後70年」「日韓基本条約50年」の昨年を締め括るにふさわしいニュースでした。もっとも、両国内の受け止めは対照的で、日本の世論調査では「評価する」が多いのに対し、韓国では「評価しない」が多数。年明けからの韓国内の状況をみても、「最終的かつ不可逆的に解決」までの道のりの遠さを思わずにはいられません。

 特集「韓国豹変の深層」は、急転直下の合意がなぜできたのか、韓国に焦点を当てて探ります。北朝鮮の「水爆」と称する実験、長距離弾道ミサイルの発射など、北朝鮮情勢の不透明さもありますが、特集から見えてくるのは、米国と中国、G2時代の東アジアの地政学です。景気後退が世界経済を揺るがすほどの経済パワーを持った中国が、南シナ海などで膨張主義を隠さない中、中国と経済関係を保ちつつ、米国との安全保障をどう構築すべきか。韓国のみならず、日本にとっても大きな課題です。

 有識者や各社新書編集部、書店員などが選ぶ「新書大賞2016」は、井上章一さんの『京都ぎらい』に決まりました。おめでとうございます。今月号では、ベスト20までの結果を発表するとともに、44ページを割いて昨年の新書を振り返ります。中でも注目は、池内紀、小熊英二、中島岳志の各氏ら目利き28人が選んだ「私のオススメ新書」。それぞれに短評が付いており、「へぇ、この人が」の発見が詰まっています。

 最後にちょっとしたクイズを。高齢者専門の人材派遣会社「高齢社」創立者・最高顧問の上田研二さんに聞く「定年後も働き続けるために必要なこと」で、働き続けるための5つの心得が示されています。第1は「あいさつは自分から、派遣先企業の立場になって、△△社員のつもりで」ですが、△△にあてはまる言葉は何でしょう。答えは、今月号の特集「一億総『下流老人』社会」で。一部のネット書店でも購入できます。