2016年6月号【編集長から】
こんにちは。中央公論編集長の安部順一です。
今月号は、ちょっとしたクイズから始めましょう。大阪市120.1、東京都区東部(墨田区・江東区・江戸川区)114.8に対して、東京都区西部(新宿区・中野区・杉並区)88.0、千葉市89.7。何の数字なのか、わかりますか?
正確には「標準化死亡比」と言いますが、男性のがんによる全国平均の死亡率を100とした場合の各地域の死亡率です。100を上回るほど死亡率が高く、下回るほど低いことを示します。大阪市は全国平均より20%高く、東京都区西部は12%低いわけで、その差は32ポイントにも上ります。特集「『がん死亡』衝撃の地域格差」は、格差の要因に迫ります。地方と大都市なら医療水準の問題かもしれませんが、いずれも大都市。見えてきたのは、喫煙や飲酒など生活習慣、がん検診を受診しているかなど健康意識の差ですが、遠景には所得格差の問題も見え隠れする今日的課題で、解決は容易ではありません。全国344の2次医療圏別の全リスト、胃、大腸、肝、肺の部位別ワースト30付きです。
京都区西部は12%低いわけで、その差は32ポイントにも上ります。特集「『がん死亡』衝撃の地域格差」は、格差の要因に迫ります。地方と大都市なら医療水準の問題かもしれませんが、いずれも大都市。見えてきたのは、喫煙や飲酒など生活習慣、がん検診を受診しているかなど健康意識の差ですが、遠景には所得格差の問題も見え隠れする今日的課題で、解決は容易ではありません。全国344の2次医療圏別の全リスト、胃、大腸、肝、肺の部位別ワースト30付きです。
東芝の不適切会計、シャープの身売り、そして三菱自動車の燃費偽装と、大手企業で経営の失敗が相次いでいます。特集「失敗の研究──東芝、シャープは他人事ではない」は、様々な角度から、その背景を探ります。サントリーホールディングス社長・新浪剛史さんの「名著『失敗の本質』のどこがビジネスに役立つのか」、元財務次官・勝栄二郎さんと読売新聞特別編集委員・橋本五郎さんの対談「空気が時代を支配する 責任を問えない日本の構造」、早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄さんの「日本企業が失敗を活かせないのはなぜか」など、読み応えも十分です。
熊本地震では多くの方が被害に遭われ、今なお避難生活を送られている方もいます。心よりお見舞い申し上げます。それにしても、活断層の怖さを改めて感じさせられました。保存版「地震発生確率の高い活断層はこの34だ!」は、危ない活断層を地図付き、地震発生確率付きでまとめました。自宅や実家の周囲はどうなっているのかを本誌で確認して、「イザ」というときに備えていただければと思います。本誌は、一部のネット書店でも購入できます。