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2016年12月号【編集長から】

<「人口減ペシミズム」に陥るな/夢の「長寿物質」臨床研究始まる>

人口減少と経済成長の関係を正面から問い直した新書「人口と日本経済」(小社刊)
が売れています。今回の特集はその著者、吉川洋立正大教授をはじめとした人口問題の専門家や加藤一億総活躍担当大臣にお話をうかがいました。
お届けしたいメッセージは「人口減だからといって、過度に悲観することはない」ということです。ポイントはイノベーションによる生産性の向上。吉川教授は、大人用オムツを例にとりながら、シルバー市場が広がる日本にこそ、イノベーションの種は多く転がっていると説きます。経済協力開発機構(OECD)の村上由美子東京センター長は、スキルの高い中高年がいることが、日本経済の強みと訴えます。

お二人とも、人口減が成長に有利と主張しているわけではありません。目の前にシルバー市場が広がり、良質な働き手がいる中で、過度なペシミズムは不必要なばかりか、成長の足を引っ張り、有害でもあるというのです。

2年半前、小誌は「消滅可能性都市」の特集を組んで、人口減への警鐘を鳴らしました。このまま行けば、全自治体の半数に当たる896市区町村が将来、消滅する可能性があるという内容でした。
その衝撃は大きく、これを機に、地方創生や子育て支援などの人口減少対策が大きな政策課題として一般に認識されるようになったと自負しています。一方で、将来を悲観する度合いが強まった地域・自治体もあったと聞きます。

どんな逆境にもどこかに希望があることを、英語で「すべての雲には銀の裏地がある
(Every cloud has a silver lining)」といいます。日本にとっての「シルバーライニング」が雲間からのぞく日を待ちたいと思います。
その「シルバーライニング」の一つになるかも知れません。

マウスの実験で高い老化抑制効果が認められたニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)の人体への効果を検証する世界初の臨床研究が、慶應大学で始まりました。10月
28日に米科学誌で実験結果を公表したワシントン大学の今井眞一郎教授が率いる共同研究です。今井教授はロングインタビューの中で、1年以内に効果を確認したいと意欲的です。

NMNはなぜ老化を抑制するの?老化抑制以外の効果はあるの?副作用は?実用化・大量生産に向けた取り組みは?。夢の「長寿物質」についてたっぷりと聞いています。

さて、ストレスも長寿の大敵ですね。12月号では、ストレスとうまく付き合う方法も特集しました。アドラー心理学、マインドフルネスなど実践的なノウハウも紹介しています。

(編集長・齋藤孝光)