2017年6月号【編集長から】

<暴走する北朝鮮、迷走する韓国>

北朝鮮はミサイル挑発をやめようとせず、韓国は長い政治空白の末ににようやく新大統領が決まったばかりです。朝鮮半島情勢はどう動くのか、多角的に考えました。北の挑発に対し、トランプ米政権は実力行使も辞さずとヒートアップしています。最悪のシナリオはどうなるのか。陸海空の自衛隊幹部OBによるシミュレーション鼎談では、第三次世界大戦に発展する懸念もあるといいます。悪夢を避けるためにはどうすべきなのでしょうか。

一方で、平岩俊司氏と川島真氏は対談で、米朝が手を握るシナリオにも警鐘を鳴らしています。米東海岸にさえ届かなければ北朝鮮の核保有を認めるという合意ができてしまうと、日韓だけが北の核に怯えることになるというのです。このほか、飢えや困窮で弱体化し、金正恩体制を揺るがしかねない北朝鮮軍の内情を石丸次郎氏が報告します。

韓国関連では、文在寅氏の外交アドバイザー・金基正氏が木村幹教授と対談。文氏の政策スタンスを説明しています。朴前大統領への名誉棄損事件で被告となり、無罪となった加藤達也元産経新聞ソウル支局長は、法廷闘争の間に体験した「国民感情法」に揺れる司法・検察当局の右往左往ぶりを鋭く描写。サムスン電子やロッテなどの財閥の苦境を松崎隆司氏が現地からルポしています。


<生涯現役社会をどう生きていくか>

生涯現役社会はすぐそこまで迫っています。人手不足社会が到来し、年金支給はやがて65歳からとなり、高齢で働くニーズが、社会的にも個人のライフサイクルの上でも高まっているのです。

では、どんな仕事があるのでしょうか。

特集では、「生涯現役社会の理想と現実」と題して、清家篤氏と松本すみこ氏が対談。樋田敦子氏が「こんなにある!65歳からの働き方ファイル」とのテーマで、会社顧問やボランティア、起業など様々な選択肢をルポします。

高齢者の定義を75歳以上として一石を投じた日本老年医学会の大内尉義前理事長は、その科学的な根拠を説明してくれました。