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2017年8月号【編集長から】

<英語一強時代の日本語のサバイバル術>

機械が訳したらしい、たどたどしい日本語の説明書きを、海外製品を扱うネット通販サイトでよく見るようになりました。そもそも関心がある商品の情報ですから、表現が稚拙であっても概ね要点は理解できます。訳出が完全でなくても用が足る領域は、意外と広いのかも知れません。機械翻訳が安く、気軽に使えるようになり、身の周りの利便性は確実に上がっています。

ところが同じネット上の情報でも、ニュースは事情が異なるようです。発言者の地位や責任の軽重とは無関係に、片言隻語まで翻訳されて国をまたいで流通し、あたかも国全体の意見のように取り上げられて関係国民の感情を害したり、相互不信に拍車をかけたりする事例を目にするようになりました。情報量が増えさえすれば、相互理解が進むわけではないようなのです。

特集で隅田英一郎氏が言うように、人工知能の進歩で「九九%の人は中学校や高校で英語を勉強しなくてよくなる」時代になったとしたら、次の課題は異文化理解になるはずです。言語に制約されず誰とも意思疎通できる世界では、国民一人ひとりが自国の文化や立場を対外的に説明できる能力こそを、国力と呼ぶようになるかも知れません。

二〇二〇年度からの次期学習指導要領では、小学校五年から英語が正式な教科となります。意思疎通の能力を高めることに並行して、語るべき中身を鍛えることも忘れないで欲しいと思います。
                               編集長 斎藤孝光

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