2021年1月号【編集長から】
★「論壇誌は男社会」「中高年オヤジの視点ばかりでは偏った内容になる」。こんなご指摘をこれまでもしばしばいただいてきました。今月号の特集「女子供のいない国 中高年男性社会は変われるか」が生まれた背景には、そうした反省もあります。本誌の読者層の中心はまさに「中高年男性」であり、私もそのど真ん中にいる一人です。正直、特集記事を読みながら「そうは言っても......」「だけど女性だって......」などと反論したくなる部分もありました。しかし、その根拠は非常に薄弱で、結局「これまでは上手くいっていたじゃないか」という程度のことしか思いつきませんでした。
★小学校、中学校で「先生に怒られる」と言えば、ビンタされるかモップの柄で尻を叩かれることでした。もちろん今では許されないことです。分かってはいても、同世代が集まれば、あの時代を懐かしむ話に花が咲いたりします。昭和、平成、令和と世の中は大きく変わりました。中高年男性世代の常識は現代の非常識になりつつあります。今月号の特集を読者のみなさんはどうご覧になったでしょうか。
★女性が多数登場した今月号ですが全体からみれば半数以下。「中央公論は所詮この程度か」と言われそうです。一つだけ胸を張れるのは、私の直属の上司が女性であるということでしょうか。
編集長:吉山一輝