2021年2月号【編集長から】
★ここ数年でサラリーマンの働き方が目に見えて変わってきたように思えます。休日の取得や労働時間短縮を推進する「働き方改革」の成果が出始めていると言えるでしょうか。それをさらに加速させているのが、コロナウイルス感染症の拡大で急速に広がったリモートワークです。通勤時間を考える必要がないため、郊外に移り住むサラリーマンも増えているというニュースにも接します。一方で、コロナ第三波は、医療関係者に過重な労働を強いています。限られたマンパワーで感染症に対応し、医療崩壊を防ぐために現場で奮闘する方々にとって、ワークライフバランスもリモートワークも今は別世界のできごとでしょう。一日も早い感染収束が望まれます。
★かつて「企業戦士」という言葉が普通に使われていた時代がありました。高度成長期には、そうした「猛烈サラリーマン」たちが国内はもとより、海外にもがむしゃらに進出してモノを売り、日本に利益をもたらしてきました。通信が発達し、あらゆるものが電子化、データ化された現在でも、もちろん日本の企業戦士は健在です。今月号から始まった黒木亮さんのノンフィクション「地球行商人 味の素グリーンベレー」は、遠い異国の地で販路を開拓し、商品を届け続ける味の素社員の姿を描きます。注目の新連載に、ご期待ください。(吉山)
編集長:吉山一輝