2021年7月号【編集長から】

 新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が東京、大阪で始まりました。東京の会場となった大手町合同庁舎は中央公論新社からほんの数分の距離にあります。高層ビルが林立する大手町で、ひときわ古ぼけたビルがこれほど注目を集めるとは思いませんでした。ニュースでは大手町駅から合同庁舎への経路の複雑さがよく取り上げられていました。確かに地下鉄五路線が乗り入れる同駅は出口も多く、初めての人には迷路のようでしょう。地下通路は東京駅や日比谷、銀座までつながり、方向を間違えるととんでもない所に行ってしまいます。さらには階段の上り下りの難所まで。とはいえ、地下通路には随所に接種会場への案内の人が立ち、案内板もありました。過剰な心配は無用です。

 今月号では日本共産党・志位和夫委員長のインタビューを掲載しました。新聞の選挙情勢記事ではかつて「共産党は独自の戦い」という表現がよくみられました。他党とは一線を画した立ち位置を表した言葉です。その共産党も今は野党共闘、選挙協力を推し進めています。社会主義・共産主義を掲げる主張は、日本の政界ではやはり異彩を放つ存在といえるでしょう。一方でそれは日本が多様な意見を尊重する民主主義の国である証でもあります。ちなみに私は憲法九条改正、選択的夫婦別姓賛成派です。

編集長:吉山一輝