2021年12月号【編集長から】
日本で活躍する外国出身者がもっと増えて欲しいと思っています。グローバル化とか共生社会とか、そんな堅苦しい文脈で考えているわけではありませんが、海外の才能にとって日本が活躍したい場所であり、それを提供できることは、嬉しくもあり、誇らしくもあります。引退した元横綱・白鳳は、そうした才能の代表格と言えるでしょう。今月号では、能町みね子さんに「白鳳の14年 栄光と意図せぬ対立」を寄稿していただきました。モンゴル出身の大横綱が見せた強さと振る舞いには、常に賞賛と批判の声が渦巻いていました。それはトップに立つ者にとっては当然のことでしょう。しかし、その中には日本人ではないことを理由にしたヘイトに近い批判もあり、嫌な気持ちにさせられたものです。外国人に「日本すごい!」と言わせるテレビ番組を見て、気恥ずかしさを感じつつも、何となく気分が良くなってしまう私も偉そうなことは言えませんが。
実家が空き家になってもう何年もたちます。これといった観光資源もなく、都会に通勤するには遠すぎる財政の厳しい田舎町。売りたくても買い手がいません。一度、町役場に勤める同級生に「町に寄付したらもらってくれるか」と聞いたところ、「年に何十件もそういう話があるが、全部断っている」とのこと。空き家問題は深刻です。
編集長:吉山一輝