2023年8月号【編集長から】

★天気の良い休日には、シェア自転車をよく利用する。スマートフォンのアプリを使ってポート(駐輪場)にある共用自転車を解錠し、目的地まで乗ったら別のポートに返却できる手軽さがいい。4月に改正道路交通法が施行され、自転車に乗る人は誰でもヘルメットを着用することが「努力義務」となった。すぐに調達したかったが、品薄で好みのタイプが見つからない。そうと知った友人が先日、着け心地の軽いヘルメットをプレゼントしてくれた。早速かぶって3ヵ月ぶりに街を走った。

★ヘルメット派はまだ少ない。行き交う自転車を試しに数えてみたら、着用していたのは30人中2人だった。着けなくても罰則があるわけではない。ただしヘルメットをせずに自転車で事故に遭った場合の致死率は、着けている時の2倍以上というデータがある。新型コロナウイルス感染拡大期には、マスクなしでの外出は考えられなかった。リスクが社会に広く知られるようになれば、ヘルメットなしで自転車に乗るのは憚られるという日がいずれ来るかもしれない。

★政界で吹き荒れた衆議院の解散風は、岸田文雄首相が見送りを決めていったん止んだ。マスクやヘルメットのように投票は「個人の判断」に委ねられ、後からリスクに気づくこともある。今のうちに各党の本質を見極めた方がいい。特集は「維新の正体」。

編集長:五十嵐 文